親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。
オフィスで、お家で、サードプレイスで……さまざまな仕事スタイルが増えた昨今。しかし、どこで働いていても仕事の悩みはつきまといます。連載企画「専門家に聞く!WORK GOOD」では、そんな悩めるワーカーのモヤモヤを解消し、スッキリとした気持ちで仕事に臨むためのヒントを、さまざまな分野の専門家が解説します。
仕事場とプライベート空間が同一のスペースになる在宅ワーカーにとって、ワークスペースづくりは関心が高いテーマです。
多くの時間を過ごす場所だからこそ、集中もリラックスもできる快適な空間にしたいもの。そこで取り入れたいのが、観葉植物です。ところが、どういった観葉植物を選べばいいのか、どう育てたらいいのかなど、初心者にとってはわからないことが多くあるのではないでしょうか。
そこで第19回は、グリーンプランナー・森田紗都姫さんに、植物が人に与える効果をはじめ、お手入れの手軽さや虫対策なども含めた、緑あるワークスペースづくりのコツを伺いました。
観葉植物の仕事への効果は、科学的に証明されている
私はグリーンプランナーとして、オフィスや商業空間への植物の提案をしてきました。これまでの経験や、植物が人にもたらす効果から、在宅ワーカーの皆さんにこそ、ぜひ観葉植物を取り入れてもらいたいと考えています。
観葉植物をワークスペースに置くメリットは、主にストレス軽減、生産性アップ、空気清浄の3つです。ある調査結果では、植物を置いた空間で仕事をすると、生産性が6%、創造性も15%向上するというデータが出ています。
また、在宅ワークでは長時間パソコン作業をされる方が多いと思いますが、植物は目の疲れを軽減する効果もあります。また、脳の知覚疲労を測る「フリッカー値」を用いた実験では、作業後に植物を見ると疲れが軽減されることが明らかになっています。植物は、リラックスや生産性向上の効果をもたらすことが科学的に証明されているのです。
在宅ワーカーにおすすめの「低メンテナンス」植物
ワークスペースに植物を取り入れる際は、「何を」「どれくらい」置くかが重要です。
在宅ワーカーが取り入れやすい観葉植物として、お手入れの負担が少なく、乾燥や病気に強い種類をおすすめします。落ちた葉や水やりに気を取られると、作業の集中力が途切れてしまうからです。そこで今回は、比較的乾燥や病気に強い樹種を中心に紹介していきます。
葉が上向きで尖っている植物は、集中力を高める効果が期待できるといわれています。特におすすめなのは、以下の樹種です。
・ドラセナ
・コルジリネ
・サンスベリア
クリエイティブな仕事をされている方は、カラテアのような少し変わった植物を選んでみるのもいいでしょう。カラテアは300種類以上あり、葉に模様があったり、葉の裏側が紫やピンクになっていたりするものがあり、見ているだけでワクワク感を与えてくれます。
ワークスペースではなく、リビングや休憩スペースに置くなら、葉が丸いもの、大きいもの、下に垂れているものがおすすめ。次の樹種があてはまります。
・ウンベラータ
・ゴムの木
・モンステラ
・セローム
リラックス効果があり、コミュニケーションも活性化しやすくなります。

ワークスペースと休憩スペースが同じ部屋になる場合は、シェフレラやツピタンサスなどがおすすめです。葉が下に垂れていますが、葉自体は尖っており、癒しと集中、両方のいいところを享受することができます。
観葉植物は、ワークスペースにどう置くと効果的? インテリアのコツ
部屋に置く植物は、多ければいいというわけではありません。視界に入る植物の量である「緑視率」も意識してみましょう。
作業の生産性を最も上げる緑視率は、13%前後といわれています。これより多すぎると、集中力が散漫になる可能性があります。逆に、極端に少なすぎても植物の効果が得られません。自宅の一室であれば、鉢植えを一つ置くだけでも、十分に効果を感じられると思います。
ワークスペースに植物を取り入れる際は、集中力を妨げないようなインテリアコーディネートも大切です。
まず、配置する場所は、緑視率を保つために自分の視界に入ることが重要です。デスク上なら見える場所にし、床置きをする場合もデスクのそばに配置しましょう。
鉢選びにも、ポイントがあります。ワークスペースに置く観葉植物は、床や壁に近い色味や、アースカラーの鉢を使うといいでしょう。カラフルだったり形がユニークだったりすると、気が散ってしまう傾向があるからです。
ワークスペースに置く観葉植物は、インテリアのアクセントにするのではなく、部屋の雰囲気に「馴染む」ことが大切です。リラックスしながら仕事に集中できるインテリアを意識してみてください。

初心者でも安心! 水やりとメンテナンスのポイント
植物を枯らす原因として最も多いのが、つい気になって水をやりすぎてしまうことです。
今回おすすめした「葉が上向きで尖っている植物」のドラセナ、コルジリネ、サンスベリアは、乾燥や病気に強い植物です。これらを室内で育てるなら、春と秋は1週間に1回の水やりで大丈夫。冬は成長がゆっくりになるため、さらに頻度が減り、1か月に1~2回水をあげれば十分です。
その他におすすめした、ウンベラータ、ゴムの木、モンステラ、セローム、ツピタンサス、シェフレラ、カラテアなどは、少しお世話の頻度があがります。とはいえ、春と秋は1週間に2回程度、冬は1か月に2〜3回程度の水をあげればOKです。
エバーフレッシュなど、新陳代謝がよく、水をたくさん吸う植物は、季節によっては毎日水やりが必要ですが、今回おすすめした植物は比較的少ない水で生きていくように作られています。
水やりのタイミングは、「土が完全に乾き切ってから」が目安です。指の第二関節ぐらいまでを土の中に入れ、根の周りの土が乾いているかを確認してみてください。水やりをするときは、根に水がしっかり届くよう、鉢底から水があふれるぐらいたっぷり与えるのがポイントです。
水やりのサインを簡単に知るための便利なアイテムとして、ペンタイプの水やりチェッカーもあります。これを土に刺しておけば、水分がなくなるとサインが出るので、初心者の方には活用をおすすめします。
また、もともと土に肥料分が少ない場所で育つ乾燥に強い植物は、栄養剤をあげてしまうと根腐れをしてしまう可能性があります。肥料が必要なのは、葉がたくさん付いていて、実がなったり花が咲いたりする植物と覚えておきましょう。
乾燥に強い植物は、葉への霧吹きも基本的に不要です。ただし、ほこりが溜まりやすい場所や風通しが悪い場所では、ときどき葉を掃除してあげましょう。植物は、葉の裏にある気孔で呼吸をしているため、ほこりが詰まると呼吸ができなくなり、病気の原因になることがあるからです。

虫が苦手な方も多いと思います。室内で虫がわく原因はさまざまですが、とくにコバエが発生する理由は湿度の影響です。湿った土にコバエが湧いてしまうことが多くあります。一番の対策は、乾燥に強い植物を選び、水やりの頻度を少なくすること。コバエが発生する確率をぐっと減らせます。
自分と「相性」のいい観葉植物とは?
観葉植物と長く付き合うために大切なのは、自分のライフスタイルに合った樹種を選ぶことだと思います。
たとえば家を長期間留守にすることがある人は、その期間は水がなくても耐えられる、乾燥に強い植物を選ぶといいでしょう。
また、植物は生き物ですから、自分の性格との相性も重要です。マメにお世話をしたい人は、今回ご紹介したような乾燥に強い植物に水をやりすぎて枯らしてしまうことが多くあります。乾燥や病気に強い植物は、マメなお世話が苦手な人に向いているのです。
逆に、マメなお手入れが苦手な人は、エバーフレッシュのように、こまめな水やりが必要な植物を選んでしまうと、水が足らずに枯らして、悲しい思いをすることになりかねません。
私自身は海外出張などで2週間ほど家を空けることが定期的にありますし、ズボラな性格なので、エバーフレッシュを自宅には置いたことは一度もありません。乾燥や病気に強い植物を部屋に置いて、暮らしを楽しんでいます。このように、自分のライフスタイルと性格、そして環境の3つに合った植物を選ぶのが大切です。
「枯れること」を恐れず、快適なワークスペースづくりを
「植物を枯らすのが怖い」と感じ、最初の一歩が踏み出せない方も多いと思います。ですが、最初に大切なのは、観葉植物を置く「目的を考える」こと。
「枯らさないように一生懸命お世話する」を目的とするのではなく、「自分だけの最高のワークスペースを作って、心地よく仕事をする」といった前向きな目的を想像してみてください。そのために必要な植物を置くとなると、選ぶときもワクワク感がありますし、お世話する気持ちも自然と湧いてくるものです。
そしてもうひとつ、植物はいつか必ず枯れるということを受け入れてください。大半の方は「植物を育てるのが苦手」と言いますが、私もいっぱい植物を枯らして、今に至っています。植物が枯れるのは複合的な理由があるので、もしチャレンジして半年で枯らしてしまっても、「半年間、私を癒してくれてありがとう」という気持ちを持ちましょう。枯れたという結果だけを見るのではなく、それまでに植物から得られた効果や楽しさこそが大切なのです。
植物との楽しい思い出を胸に抱けば、次に植物を取り入れるハードルが下がり、もっと気軽に楽しめるはずです。ぜひ、ご自身のワークスペースを、観葉植物でより快適な場所に変えてみてください。
取材・執筆:御代貴子 アイキャッチ・図版:サンノ 編集:モリヤワオン(ノオト)
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