「何も感じないことが快適さの証明」芥川賞作家・羽田圭介さんの創作を支える一脚
ゲストとゆく、オカムラショールーム見学

「何も感じないことが快適さの証明」芥川賞作家・羽田圭介さんの創作を支える一脚

#アイデア・工夫 #キャリア #ライフスタイル #仕事・働き方 #在宅ワーク
Contessa Ⅱ(コンテッサセコンダ)

仕事や勉強、読書、執筆、ゲーム、ときにはリラックス――心地よいライフスタイルを築くために、相棒となるデスクや椅子にはこだわりたいもの。


シチュエーションだけでなく、使い心地やインテリアによっても、ぴったりのツールはそれぞれ異なります。オカムラショールームでは、プロの解説を受けながら、実際に座ったり、デザインや機能を確認したりできます。


モノ選びへのこだわりを持つゲストが、オカムラショールームを探検しながらお気に入りの家具を見つけていく本企画。第6回は、作家の羽田圭介さんに登場いただきました。


オカムラ製品の長年のファンである羽田さんは、現在進行形でコンテッサ セコンダを愛用し、かつては電動昇降デスクのスイフトを使っていたことも。最新エッセイ『羽田圭介、家を買う。』では、快適な執筆環境と理想のマイホームを手に入れるために悪戦苦闘した日々が描かれています。


現在は執筆環境に満足しているそうですが、「今のコンテッサはメッシュ素材で冬が寒いので、革張りタイプのものが追加で欲しい」と話す羽田さん。実際にショールームを探索してみると、新たな誘惑も生じて……? 心を巡らせるなかで、創作と生活をともにする椅子へのこだわりが見えてきました。

「自分にはコンテッサしかない」と確信

「以前に訪れたときと比べると、ずいぶん印象が変わりましたね。リラックス系のワークチェアが増えた印象を受けます」


東京・紀尾井町のオカムラ ガーデンコートショールーム。約4,400㎡もの広大なフロアとそこに並ぶオフィス家具を見渡しながら、羽田さんはそうつぶやきました。

羽田さんが前回、オカムラのショールームを訪れたのは2016年。高校時代に作家デビューを果たし、執筆と学業を並行していた大学在学中からコンテッサを愛用してきた羽田さんは、椅子にこだわってきた理由を次のように語ります。

羽田

「若者は身体が頑丈だから椅子や机なんかにこだわらなくていい」と考える人は多いですが、運動系の部活でそれなりに頑張っている人だと身体を酷使して、若者でもそこらの大人たちより痛めていたりするものですよ。大人になるとその記憶を歪めがちですが。僕は中高時代、軟式テニス部での練習に取り組みつつ、往復10キロの通学路を毎日自転車で走っていましたし自主的に筋トレや走り込みもしていたので、膝や腰をしょっちゅう痛めていたんですね。だから、執筆のための良い椅子が欲しいという思いが高校3年生頃からずっとありました。

そんな羽田さんがオカムラ製品の良さを知ったのは、大学生のときに訪れた秋葉原のインテリア家具店。照明器具を探しに行った店内に展示されていたオフィスチェアに何となく座ってみたところ、抜群にフィットした一脚がコンテッサでした。

羽田

他社製も含めていろんな椅子を試し座りしたのですが、後ろに体を倒したときの感じはコンテッサが抜群に良かった。後傾したときに、まるで寝椅子のように体重分散がされる状態がとても心地よかったんです。小説家ってずっと書いているイメージがあるかもしれませんが、実はリラックスした体勢で悩んだり資料を読んだりする時間も長い。「自分にはコンテッサしかない」と確信しました。

20代前半で初代コンテッサを購入した羽田さん。大学卒業後は会社員も経験しますが、数年後には専業作家として独立し、29歳のときに『スクラップ・アンド・ビルド』で芥川賞を受賞します。


その後、30代に入ってからは大型ヘッドレスト付きのコンテッサ セコンダに乗り換えて、現在まで愛用。ショールームで「いつもの椅子」に座ってもらったときは、オカムラの社員が「アームのレバー調整がうちの社員より手慣れています!」と驚くほど、一連の動作があまりになめらか。コンテッサ セコンダがすっかり体に馴染んでいるようです。

また、今回は数年ぶりのショールーム訪問とあって、オフィス家具のトレンドの変化も新鮮だったようです。羽田さんはワークチェアのエリアに向かう前に、リビング用ソファや収納家具、会議テーブルなども興味深そうに眺めたり腰掛けたりしながら、楽しそうに感想を話してくれました。

「このファミレスブース、最高に快適ですね。足を伸ばさずにはいられない。さすがに自宅には置けないけど、いいですねぇ」と語る羽田さん

オフィス家具のトレンドの変化に驚く羽田さん

「スイフト」を使ってわかったベストな高さ

最近人気の昇降デスクコーナーで、羽田さんの足が止まりました。実は、少し前まで自宅で電動昇降デスク「スイフト」を愛用していたそうです。

羽田

執筆中はずっと座ってキーボードを叩くので、ちょっとした事務作業などは立って作業することでメリハリをつけたかったんです。


PC作業をするとき、文庫本を読むとき、大判のハードカバーを読むとき、ゲラに赤字を入れるとき……。僕にとってそれぞれのベストな高さはすべて違うんですね。PC作業をするときは86センチの高さがいいけれど、手書きや読書のときはもっと低くしたい。

昇降デスクならば、脚の長さを調整ができるはず。そこでコンテッサ セコンダとマッチする理想のデスクを探して、国内外のさまざまな既製品の試し比べをしたそうです。

羽田

昇降デスクは土台の安定性が重要です。安い製品はいくらでもありますが、それらは机がグラグラするんですよ。そんな不安定なデスクに仕事道具を置いても、まあ倒れるということはないんでしょうが、心理的な安心感が全く違うんです。どっしりかまえた状態で作業したいというか……。極端な話、僕のような成人男性がその上に立っても大丈夫だと思えるくらいにフレームが頑丈なデスクがいい。そう考えて最終的にたどり着いたのがスイフトでした。

2016年からスイフトを使い続けていく中で、羽田さんにとっての作業ごとのベストな高さが明確にわかったといいます。結果、自身の用途であればなんにでも対応できる78cmという高さを導き出し、今では高さ78cmの他の机を使っているそうです。

そんな羽田さんにオカムラから提案したのが、デスクの天板を傾斜できる電動昇降デスク「リーガス」です。


天板すべてが傾斜するのではなく、メイン天板が傾斜しても周囲の天板は水平を保ったまま、という構造がポイント。

羽田

天板の一部は水平のままなので、ドリンクを入れたカップやペンなんかはちゃんとそちら側に置き分けられるのがいいですね。普段から絵を描く人や液晶タブレットを使う人、製図作業などが必要な仕事の人には、すごく便利だと思います。

昇降デスクのため、立った状態でも天板の角度を調整できる

実際にデスクの高さを上下させながら、執筆スタイルをシミュレーションする羽田さん。「立っているときは黙々と作業をして、リラックスしてアイディアを出したいときや疲れたときなんかは座る。こういう柔軟なスタイルが選べるのは嬉しいですね。デスクを新調することまでは考えていなかったのですが、これは欲しくなってしまいそうです」と悩む羽田さん。


さらには、椅子と机がセットになった「クルーズ&アトラス」にも興味津々。画面に向き合って執筆に集中するときは前傾姿勢に、リラックスして読書や構想している最中は後傾姿勢に。どちらの姿勢でもチェアが体にフィットしながら支えてくれます。

羽田

うわあ、これは便利ですね。僕、ペンでゲラに赤字を入れるときは、こうやって斜めに角度をつけたいんですよ。新刊のゲラチェックに追われていた先月のうちに、このデスクに出会っておきたかった!

自宅のインテリアとしても活用したい  

デスクコーナーへの寄り道を経て、いよいよ今回の探索の目的であるコンテッサ セコンダの総革張りタイプのお試しへ。


現在使っているメッシュ素材とは別に、総革張りのコンテッサ セコンダが欲しくなったのは、「冬が寒いから」以外にも理由があるそうです。

羽田

僕は今、書斎とダイニングにそれぞれ同じ天板のテーブルを置いているんですね。書斎のテーブルはコンテッサ セコンダと組み合わせて使っていて快適なのですが、ダイニングのほうは普通のダイニングチェアを置いているので、長時間座ると腰がつらくなる。


ただ、ダイニングは夫婦の共有スペースであり、くつろぐ場所でもあるので、メッシュ素材のコンテッサ セコンダをどーんと置いてしまうと、あまりに事務所感が出てしまうんです(苦笑)。

羽田さんが現在使用している、メッシュ素材のコンテッサ セコンダ。

書斎にはぴったりだが、ダイニングに置くと事務所感が出てしまうという

それでも、コンテッサ セコンダの優れた機能性は捨てがたい。総革張りならば、ダイニング空間でも他のインテリアとも調和するのでは? そんな思いから、総革張りの選択肢が思い浮かんだそうです。


では実際に、総革張りのコンテッサ セコンダに座ってみた感想はいかがでしょう?

羽田

おお、わりとしっくり来ます。メッシュ素材と比べると、やはり座り心地も多少違う気がしますね。座ってみると「あ、いつものコンテッサだ」とわかりますが、見た目の印象はずいぶん変わりますね。

天然革を贅沢に使った総革張りのコンテッサ セコンダは、その重厚感のある佇まいと高いデザイン性から、エグゼクティブからも高い評価を得ています。

総革張りのコンテッサ セコンダ

「機能面でいえば通気性の高いメッシュ素材に劣るものの、天然革のコンテッサ セコンダであればインテリア家具としてしっくり来る気がする。リビングやダイニングに合う明るい色がいいですね」と語りながら張り地の色選びを真剣にする羽田さん。空間にあわせて選べる豊富なバリエーションもコンテッサ セコンダの魅力です。

自宅のインテリアにマッチする色を吟味する羽田さん

コンテッサは「自分の身体と同化した道具」

コンテッサのさまざまなカラーをじっくりと吟味しながら、羽田さんはしみじみとつぶやきました。

羽田

ショールームを一周していろいろな製品を試してみましたが、やっぱり僕はコンテッサに戻ってきてしまいますね。考えてみると大学3年の終わり頃からずっと使ってきた道具ですから、もう自分の体と同化している感覚なんです。だから、自宅で座っていても、いい意味で何も感じない。だって最終的には「今使っているのと同じもの、もう一脚ください」 と言いかけましたから(笑)。

羽田さんにとって、コンテッサ セコンダはすでに体の一部であり、当たり前のような存在なのかもしれません。

そして最新のエッセイ集『羽田圭介、家を買う。』にも、日々愛用する「道具」と真摯に向き合う姿勢が描かれています。

羽田

何を家に求めるかは人によってさまざまだと思いますが、僕にとって「家」は仕事をするための道具としての意味合いが強い。それこそ、本に掲載されている歴代の家の写真に初代コンテッサや、コンテッサ
セコンダが写り込んでいます。

羽田さんにとって椅子は創作に欠かせない道具であると同時に、自分の体や思考と向き合うための場所でもあるのかもしれません。最後に、オカムラショールームを訪問しての感想を聞きました。


また、9年ぶりにショールームを再訪したことで、社会が求めるオフィス環境が大きく変化したことにも気づいたそうです。

羽田

以前はオフィスって、もっと緊張感があって、効率の良さが求められる場所でしたよね。今の時代は、「リラックスしながら新しい何かを生み出す」という流れに変わってきているのかなと思いました。


ある意味、「効率化の行き着く先がリラックスだった」とも言えるのかもしれません。そうした自然回帰的な潮流も興味深いですし、そうした大きな変化にオカムラという企業は小手先だけでなく本腰を入れて向き合っている印象を受けました。

コンテッサ セコンダの総革張りにすることは決定したものの、依然とカラーに迷いがある羽田さん。

羽田

サンプルカラーと自宅のインテリアを合わせながら、僕の家のダイニングにはどの素材のどんな色のコンテッサ セコンダがしっくり来るのか、一度持ち帰り、じっくり考えたいと思います。

自宅のダイニングにぴったりのカラーは? ショールームのリビングエリアの雰囲気と重ね合わせて、じっくりシミュレーションする羽田さん

後日、羽田さんは無事にコンテッサ セコンダのカラーを決定! ベージュカラーの総革張りが、リビングに仲間入りしました。自宅のカラーにピッタリのコンテッサ セコンダを導入することで、これからどんな生活と創作を繰り広げてくれるのか、楽しみでなりません。

Contessa Ⅱ
[コンテッサセコンダ]
PROFILE
川村健一

羽田圭介

小説家

1985年、東京都生まれ。明治大学商学部商学科卒。高校在学中の2003年に「黒冷水」で文藝賞を受賞しデビュー。2015年、「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川龍之介賞を受賞。その他の著書に『成功者K』『Phantom』『滅私』『タブートラック』『バックミラー』『羽田圭介、家を買う。』などがある。

CREDIT

ライター:阿部花恵 撮影:吉田一之 編集:桒田萌(ノオト)

ブランド名

商品名が入ります商品名が入ります

★★★★☆

¥0,000

PROFILE

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

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