親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。
「快適に感じる椅子」は人によって千差万別。座るシチュエーションや姿勢、頻度などによって、自分にぴったりの椅子を選びたいものです。ショールームでは、プロの解説を受けながら、実際にたくさんの椅子に触れ、座って、自分だけの一脚を選ぶことができます。
モノ選びへのこだわりあるゲストが、オカムラショールームで「お気に入りの一脚」探しを体験する本企画。第5回はフリーアナウンサーの武田真一さんにご登場いただきました。
実は、既に10年以上もオカムラの「バロン」を愛用していたという武田さん。今回は、オカムラのほかの椅子も試して、新しい一脚を手に入れたいという思いがありました。さらに自分の椅子に加え、フリーになってから公私共に支えられているというマネージャー兼奥さまに感謝の気持ちを込めたプレゼントをしたいとのこと。武田さんと一緒に、ショールームを巡っていきましょう。
長男のお下がりバロンがお気に入り!
「どんな椅子があるのか、楽しみですね」と話す武田さんが訪れたのは、東京・紀尾井町に位置するオカムラ ガーデンコートショールームです。
実は、武田さんはすでに自宅でオカムラのワークチェア・バロンを愛用しているそう。
10年以上前になりますが、大学受験を控えた長男に買ったのがバロンでした。長男が独り立ちして家を出てからは、僕が自分の書斎で長男のお下がりバロンを使っています。これが本当に座り心地が良くて。特にコロナ禍で在宅ワークだった時には、とても助けられました。このバロンにも愛着があるので引き続き使い続けたいのですが、今回はお下がりじゃない、人生初の自分用チェアを手に入れたいと思っています。
NHKを退職後、アナウンサー業をはじめ、テレビCMやバラエティ番組への出演など多方面で活躍されている武田さん。「独立してからは、24時間妻と一緒なんです」と微笑みます。
独立後、妻が事務所の社長として、僕の業務をマネジメントしてくれています。今日は、そんな妻にプレゼントする椅子選びもできればなと。
愛用されているバロンについては、「何時間座っていても疲れない」と大絶賛の武田さん。パーツを買い替えて使うほど大好きな一脚なのだとか。すでにオカムラの椅子を愛している武田さんは、どんな椅子を選ぶのでしょうか?
機能性に満ちた最新のオフィス家具に感動
椅子を選ぶ前にちょっと寄り道。ショールームには、椅子以外にもさまざまなオフィス家具が展示されています。展示室に足を踏み入れると「今はこんなにおしゃれで機能的なプロダクトがあるんですね」と目を輝かせていました。
ショールームに置かれたワークブースや昇降デスクに触れながら「操作性もスムーズですね」と気になった様子の武田さん。
武田さんがデスクの前に立つと、不思議とニュース番組が始まりそうな雰囲気に
アナウンサーは座って原稿を読んでいるイメージがあるかもしれませんが、ナレーションを吹き込む時は立って収録することも。好みもあるので、仕事で昇降デスクを選べたらうれしいですよね。
続いて訪れたのは、「共創空間」エリア。共創空間とは、組織など既存の枠組みを越え多様な人が集い、関わり合うことで、新たな価値創造をもたらす場のこと。ここには、そんな場づくりのためのオフィス家具が展示されています。
武田さんは、コンパクトなデスクとチェアが気になった様子。この製品はキャスター付きで、デスク同士をくっつけてもデスク脚が干渉せず、ピッタリと並べて使いやすい工夫が施されています。これは、さまざまなチーム作業に合わせて柔軟にデスクと椅子を組み合わせ、オフィス空間を最大限活用するための工夫です。
「カバンを下げるフックもあって、学校の机みたいですね」と楽しそう
シンプルな作りの製品に惹かれるんですよね。このデスクとチェアはシンプルながら機能性に満ちている。デザインもかわいらしくて気に入りました。
バロンの次に選ぶ、自分のための一脚を探して
「チェアのコーナーに到着しました!」
ここからは、実際にいくつかの椅子に試座していきます。最初に腰掛けたのは、椅子の背面がクロスしたデザインが特徴の「サブリナ」です。背もたれが柔軟なので、前後左右の一方に体重をかけて座っても、身体の動きについてきてくれる適度なベンディング性能がポイントの製品です。「お〜これはリラックスして座れます」と武田さん。
サブリナスタンダード(大型ヘッドレスト付きのエクストラハイバックタイプ)
続いて武田さんが気になったのは、オカムラと「ジウジアーロ・デザイン」のコラボレーションから生まれた「フィノラ」です。「かっこいいデザインだなぁ〜」としみじみと腰をかける武田さん。椅子のしなりをコントロールすることができ、身体にしっかりとフィットしてくれます。
フィノラ(エクストラハイバックタイプ)
最後に座ったのが「コンテッサ セコンダ」。アーム部分にリクライニングや椅子の高さを調整できるレバーが付いており、感覚的に座り心地を調整できるのが特徴です。「なるほど、座面の下に手を伸ばさなくても、リクライニング操作できるのは魅力です」と、武田さんも操作性の良さを体感しました。
コンテッサ セコンダ
機能面はどれもばっちり。 決め手は、椅子の「顔」
今までバロンを愛用されていたということもあり「オカムラワークチェアの機能面は信頼しています。となると、最後に決めるのは好みですよね」と、武田さん。いくつか比べていく中で、椅子の顔である背面デザインの好みから選んでみることに。
椅子の種類によって、「背面デザイン=椅子の顔」も異なる。左はコンテッサ セコンダ、右はフィノラ
座り心地は、どれも最高。軽やかなデザインが好きなので、顔で選ぶとしたらコンテッサ セコンダかな? リクライニングや座面の高さの調整を手元で行えるのも魅力的だったので、機能面で考えてもこれですね。
机とセットでコンテッサ セコンダを試してみる
武田さんの一脚は、コンテッサ セコンダに決定! ここからは、椅子にさまざまなカスタマイズを加えていきます。まずは、座面の材質から。
自宅で使っているバロンは、クッションの座面。夏は蒸れるので、メッシュがいいかな〜と思ったのですが、実際に座り比べてみると「クッションの良さ」を改めて体感できますね。人によって好みがわかれると思いますが、僕はクッションが好みかな。
座面の好みは実際に座ってみてこそわかります。メッシュ素材は、通気性の良さや掃除のしやすさのメリットがあります。一方で、オカムラ製のクッション座面には独自技術の「異硬度クッション」が使われています。これは硬さの異なる3種のウレタンが一体成型されているもので、座り心地と姿勢の安定性が保たれます。
「異硬度クッション」を触る武田さん。前方は太ももを圧迫しない柔らかいクッション、
後方はお尻をしっかりサポートする硬めのクッションが採用されている
さらに「バロンはローバックなので、こちらはヘッドレスト付きがあると使い分けできて良さそう」と、大型ヘッドレストをカスタマイズしました。
コンテッサ セコンダ(ハイバックタイプ)の、後傾姿勢の快適さにひたる武田さん
続いて、張地のカラーを選んでいきます。
僕のラッキーカラーは、緑なんです。子どもの頃から緑色が好きで、中学生の頃に緑色のお財布を使っていました。そのお財布は何度もなくしているのに、必ず自分の元に戻ってくるんですよ。不思議でしょ? それからというもの、自転車も緑色、フリーになってからアナウンサーを務めている『DayDay.』(日本テレビ)のキーカラーも緑色……気がついたらラッキーカラーに囲まれています。というわけでコンテッサ セコンダの張り地は、ダークグリーンにしようと思います。
ダークグリーンの張り地に合わせ、フレームとボディはブラックでカスタマイズしました。
複数種類ある緑の張り地からダークグリーンをチョイス
最後まで悩んだのがアーム部分。コンテッサ セコンダは、2種類のアームから選ぶことができます。
デザインアーム(左)とアジャストアーム(右)
スタイリッシュにまとめるなら断然デザインアームなんですが、アームの高さを変更できないのはちょっと悩ましいところ。こうして座っていても無意識に肘の位置を調整していますからね。う〜ん、今回は機能面を重視してアジャストアームにします。
バリエーション豊富なパーツを選び、ついに武田さんだけの一脚が完成しました。
奥さまへのプレゼントは、おそろいの椅子
自分の椅子が決まった武田さんは、奥さまへのプレゼントを選びはじめました。奥さまは、主にダイニングテーブルでバランスボールに座って作業されているとのこと。武田さんは「落ち着いて作業できるような椅子をプレゼントしたい」といいます。
妻は小柄なので、大きすぎず座りやすい椅子がよさそうです。また、椅子を置くリビングは木目調の家具が中心なので、空間に馴染むものがいいなと。妻からは冗談っぽく「社長の威厳が感じられる椅子がいいな」と言われているので(笑)、その視点も加えて選びたいと思います。
熟考の末、武田さんは自分とおなじコンテッサ セコンダをセレクト。座面の奥行きを調整することができるため、小柄な人でも「足が床につかない」というトラブルがおこりづらいのが特徴です。
さらに、リビングの雰囲気に合ったカラーを選んでいきます。まず、フレームにはポリッシュ、ボディにはホワイトを選びました。張り地は「ベージュもいいね」「ワインレッドの張り地と白いボディの組み合わせもかわいい」と迷うこと数分……。さまざまな色の張り地を椅子に当てていく中で、最終的にはダークグリーンが選ばれました。
妻は高校からの同級生。同時に同じことを言ったり、思ったりするようなパートナーなので、彼女もコンテッサ セコンダを選ぶんじゃないかな、と。フレームはポリッシュ、ボディは白にして、リビングでも馴染みのいいダークグリーンでまとめてみました。おそろいのカラーはちょっと気恥ずかしいですが、結果的にこうなっちゃいましたね(笑)。
きっと妻、いや社長も喜んでくれると思います。小さい事務所ではありますが、妻が社長として日々頑張ってくれているので、その感謝の気持ちが伝わるとうれしいですね。
種類も張り地もおそろいの2人の椅子は、唯一ボディとフレームが異なる。
左は奥さまに選んだポリッシュのフレーム。右は武田さんが選んだブラックのフレーム
働く人のための「創意工夫」におどろき
椅子を選ぶことは、自分の仕事やライフスタイルとじっくり向き合うこととも繋がります。椅子選びの過程の中で、機能性やデザイン、座り心地など、武田さんのこだわりが見えてきました。今まで使ってきた椅子と新しい椅子は、どのように使い分けていくのでしょうか。
書斎で仕事をする時には、コンテッサ セコンダ。休日は気がついたら10時間座っていたなんてこともあるので、座り続けていても疲れづらいのが嬉しいポイントです。たまにヘッドレストに体をあずけてリラックスできるのもいいですよね。
愛着のあるバロンは、趣味の時間を楽しむときに使おうかな。ギターのエフェクターを改造したり、ミシンで作業したりするのも好きなんです。あっ、たまには妻の椅子とも交換してみましょうか。
ご自身用のチェアと奥さまへの感謝の気持ちを込めたプレゼントが決まった武田さん。最後にオカムラショールームを巡ってみての感想をお伺いしました。
デザインや機能だけでなく、働く人たちの小さな悩みを解消するために、どんな環境がいいのか? どんなデザインがいいのか? 本当に考え抜かれているな、と。単に効率や生産性をあげるだけじゃない、働く人たちがいきいきと過ごすことを大切する姿勢がさまざまなプロダクトから伝わってきました。
あとは、創意工夫が素晴らしかったです。椅子に座った時の座り心地や操作性、どこに何があればうまく機能するか、椅子に座っている時も魔法がかかっているように感じましたよ。どのプロダクトもオカムラさんのプロダクトなら安心できると、最終的には自分の好みで選ぶことができました。人生初の自分だけの椅子、そして妻とおそろいになったプレゼントの椅子、2人で使うのが今から楽しみです。
取材・執筆:つるたちかこ 撮影:吉田一之 編集:モリヤワオン(ノオト)
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