親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。
「自分の身体に合う椅子がほしい」――座る時間の長い人なら、誰もが一度は思ったことがあるでしょう。身体に合うかどうかを確かめるには、実物を試してみることが欠かせません。ショールームならさまざまな製品を試しながら、プロのアドバイスも受けられます。
モノ選びへのこだわりを持つゲストに、オカムラショールームで「お気に入りの一脚」を見つける体験をしていただく本企画。第3回は俳優・北乃きいさんに登場いただきました。
「人間工学に基づいたアイテムが大好き。でも、自分の身体に合う椅子とはまだめぐりあえていないんです」と話す北乃さんは、はじめてのショールームに大興奮! さまざまな椅子を試しながら、家具選びや好きな椅子の条件などをうかがいました。
机にも椅子にも、北乃さんならではのこだわりがたくさん
「うわぁ、オフィス家具がたくさん!」と北乃さんが目を輝かせているのは、東京・紀尾井町にあるオカムラ ガーデンコートショールーム。約4,400㎡もある広いフロアのなかに、たくさんの椅子やデスク、ソファといったオフィス家具が並んでいます。あちこちの製品に興味を示しながら、北乃さんのショールームツアーがはじまりました。
オフィスエリアで最初に気になったのは、仕事中のリフレッシュタイムを支えるソファ。ゆったりと身を預けて「これ、座面が想像より硬い! だから身体が沈み込みすぎなくて、とっても座りやすい……! 硬いほうが腰にも優しいんですよね」とうれしそうです。オフィス家具とは思えないデザイン性の高さにも感激していました。
リビングライクな空間を演出する、ライブス ラウンジソファ
次に北乃さんが興味を示したのは、椅子とは切っても切れない関係のデスクです。昇降デスクの高さを確かめながら、日ごろのデスクライフを語ります。
北乃
気分によって座る高さを変えたいので、家でも日常的に昇降デスクを使っているんです。たとえば、お鍋をするときはちゃぶ台のように低めにしたいし、洋食を食べるときはハイカウンターくらい高いほうがいい。台本を読むときも、その役に合わせて高さを変えたほうが、セリフが頭に入りやすい気がします。時代劇だったら、一番低くして床に座るとか。
傾斜する天板付きの電動上下昇降デスク「リーガス」。北乃さんは書き物をするシチュエーションを想像中
そうした細かいこだわりもあいまって「机の高さがもう少し微調整できたらいいのに」「それに合う椅子もあれば」などと悩むことも、少なくありません。30代に入ってから、身体に合わない家具を使っていると疲れが残るようになったといいます。
「人間工学」が大好き。でも、自分に合うかは試してみないとわからない
「もともと人間工学に目がない」という北乃さん。人間工学とは、人間ができるかぎり自然な動作や状態で使えるように、物や環境を設計する考え方です。
使いやすさやフィット感、快適性などを追求した結果、行きついた先が「人間工学に基づいたアイテム」だったんです。靴の中敷きからはじまって靴やクッション、姿勢サポートグッズなど、さまざまなものを試しました。なかでもお気に入りのスニーカーはすごく履きやすくて、どこまでも歩けるような気分になれました。立ちっぱなしの時間が長い撮影現場でも愛用しているスタッフさんがたくさんいて、リアルな人気を感じています。
しかし、多種多様なアイテムを試すうちに、「自分の身体に合わない人間工学の製品もある」ということに気がついたといいます。
反り腰が気になっているので、腰にやさしいといわれる椅子を買ったのですが、どうしても身体に合わなくて……。最初は「人間工学に基づいた椅子の座り心地が悪いということは、私の腰の状態がそれほど悪いということだから、身体のほうを改善していけば合うようになるだろう」と思っていたんです。でも、半年経っても気持ちよく座れず、先日泣く泣く手放しました。
どれだけ良い製品でも、自分の身体に合うかどうかは試してみないとわからないものですね。オカムラさんでは自社の研究所と工場で、人間工学に基づいた製品開発を行っているとのことなので、今日は、科学的な根拠があって自分にも合う一脚をぜひ見つけたいです。普段はネットショッピングが多いので、こうやって試しながら選べるのも楽しみ!
北乃さんが重視するのはデザイン? 機能?
オカムラのオフィスチェアがずらりと並ぶエリアに到着し、まずは一番人気の「シルフィー」を試します。座るなり、その包みこまれるような座り心地に驚く北乃さん。体格に合わせてリクライニングを調整でき、デスクワーク時の前傾姿勢を支えてくれるのが魅力です。
オフィス用なのにこれで寝られちゃうかも! こんなに快適でいいんですか? 自分の姿勢に合わせて背もたれが寄り添ってくれるから、疲れにくいのがいいですね。
シルフィー(ヘッドレスト付きのハイバックタイプ)
前傾姿勢をとっても、チェアが身体についてきてくれるのがすごいです。でも、日常生活で前傾姿勢になることって、私はあんまりないかもしれません……。私は座っているときに大きく姿勢を変えることが多く、座面に足を上げて体育座りをすることもあるので、それでも窮屈にならないような椅子を見つけたいです。
様々な椅子を座り比べる中で、次に北乃さんの興味を引いたのが、オカムラのフラッグシップチェアでもある「コンテッサ セコンダ」。イタリア・トリノに本社をおき、フェラーリなどのデザインも手掛けた世界屈指のデザインファーム「ITALDESIGN イタルデザイン」とのコラボから生まれたビジュアルが目を引きます。座面が広く、北乃さんの座り方にも合いそうです。
うわぁ、かっこいい……! 流れるようなフレームラインがとってもスタイリッシュ。見ているだけで幸せな気分になれるのに、座面が広くて座り心地がいいです。肘先の下にレバーがついていて、座面の下に手を伸ばす必要がなく、姿勢を維持したまま座面の上下やリクライニングの調整ができるところも助かります。
コンテッサ セコンダ(大型ヘッドレスト付きのエクストラハイバックタイプ)
それから「サブリナ」の、背面フレームがY字になったデザインも気になる様子。高さやリクライニングの角度・動きなどを、自分に合わせてフルカスタマイズできる柔軟性が人気のシリーズでもあります。
「サブリナ」は私の姿勢や動きに合わせて、椅子が優しくついてきてくれるような感覚があります。それに、いろいろな位置や角度を自分仕様に設定できるのがいい。普段から、その日のヒールの高さなどに合わせて、車の椅子などもこまかく微調整するタイプなので、乗り込んでから発進するまでに時間がかかってしまって(笑)。でも、これならいつも快適な状態に保てます。
サブリナスタンダード(大型ヘッドレスト付きのエクストラハイバックタイプ)
チェアを見比べる中で、「椅子の顔」とも呼ばれる背面デザインにも注目した北乃さん。
部屋のインテリアとして考えると、椅子の背中ってよく見えるから、重要です……。「コンテッサ セコンダ」のアルミフレームはクールだし、「サブリナ」の曲線的なデザインも捨てがたいなあ……! どちらの“顔”も素敵で、見ていて飽きません。
コンテッサ セコンダ(左)とサブリナ(右)の背面デザイン
すべてを兼ね備えた椅子が、これからの日々を支えてくれる
行ったり来たりしながらさまざまな椅子を試したすえ、北乃さんが最後に選んだのは「コンテッサ セコンダ」。うっとりとそのフォルムを眺めつつ、理由を話してくれました。
じつは私、車がすごく好きなんです。だから、フェラーリのデザインも手掛けた会社とコラボした椅子に座れるだけでうれしくて……! この背面のデザインが本当にかっこいいです。しかも、私の少し変わった座り方も許容してくれる、懐の深さがあります。
椅子を決めたら、さまざまなカスタマイズが可能です。座面はメッシュとクッションから選ぶことができ、北乃さんはクッションをチョイス。コンテッサ セコンダのクッションには、オカムラ独自の「異硬度クッション」が採用されています。これは1番へこみやすいお尻の部分はハード、太ももにあたる部分は血流をとめないようにソフトと、硬さの異なる3種のウレタンを一体成型したもの。身体の触れる部分に応じて硬さに変化を持たせることで、座り心地と姿勢の安定性を両立させています。
座面のサンプル素材を触りながら、その細やかさに驚く北乃さん
北乃さんがとくに悩んだのは、ヘッドレストです。インテリアを邪魔しないミニマムなデザインが気に入っていたけれど、幅の広いタイプも気になる……。
見た目が好きなのは小型ヘッドレストなのですが、頭を委ねてリラックスできるのは大型ヘッドレスト。後者は座ったまま頭を動かしても、全部しっかり支えてくれるのが気持ちよくて……悩みます! みなさん座ってみて、意見を聞かせてもらえませんか?
大型ヘッドレスト(左)と小型ヘッドレスト
周りのスタッフたちからも順に意見を聞いて熟考し、幅広タイプのヘッドレストをチョイス。色はシンプルで清潔感のあるホワイトを選びました。
今までのアイテム選びは機能を優先して、そのぶん見た目を少し後回しにしているところがあったんです。でも今回、機能もデザインも兼ね備えた椅子に出会えて、うれしくなってしまいました。
いい椅子と一緒に過ごせば、疲れにくいだけでなく、集中力も上がるはず。近ごろはチャイルドコーチングマイスターなど、子どもに関わる資格の取得にも力を入れています。セリフ覚えだけでなく、そうした勉強の時間も支えてもらえると思います。この椅子と過ごす毎日が、とっても楽しみです。
コンテッサと過ごす日々に想いを馳せて、ニコニコの北乃さん。最後に、オカムラ ショールームの感想も教えてくれました。
こんなにたくさんの種類を心ゆくまで試せるなんて、なかなかない環境です。しかも、一緒に回ってくださったスタッフさんたちが、どんな椅子のことでもすらすらと説明される姿に感激しました。私が希望を伝えたら「だとすると、こちらです」と、おすすめの椅子を次々に提案してくださって、とても心強かったです。ショールーム、大好きになりました!
ライター:菅原さくら 撮影:藤原葉子 編集:モリヤワオン(ノオト)
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