一人でDIYした車がアウトドアの拠点であり仕事場。愛車「えだまめ号」と旅するYouTuberりさらいずさん
ワークスペースの美学

一人でDIYした車がアウトドアの拠点であり仕事場。愛車「えだまめ号」と旅するYouTuberりさらいずさん

#アイデア・工夫 #カルチャー #ライフスタイル #仕事・働き方 #趣味・遊び

仕事や趣味などに気兼ねなく取り組むことができるその人だけの空間、ワークスペース。その人の考え方や行動様式が、色濃く反映される場所でもあります。「ワークスペースの美学」は、自分自身の心地よいライフスタイルを実践している方にご登場いただき、そこに至った経緯や魅力、結果として得られたものなどについて伺うインタビュー連載です。


第6回目のゲストはアウトドアYouTuberとして北海道を拠点に活動するりさらいず(RISA RISE)さん。ご自身の手でDIYした愛車「えだまめ号」とともに、フライフィッシングをはじめとするアウトドアライフや車中泊の様子を中心に配信を続け、そこから垣間見られる北海道の魅力とともに注目を集めています。チャンネル登録者数は19万人を超え、全国のファンからコメントが寄せられる人気YouTuberのお一人です。


アウトドアに興味を持ったきっかけからYouTuberとして活動し始めた経緯、そして、アウトドアの拠点であり、仕事場でもある「えだまめ号」のDIYのポイントやこだわりについて伺いました。

転職を機にフライフィッシングに挑戦、成長記録として動画投稿をスタート

—北海道の大自然の中でのアウトドアライフを発信しているりさらいずさんですが、元々アウトドアはお好きだったのですか?

りさらいず
そうですね。小さい頃から家族でキャンプをしたり海へ釣りに行ったり、川でエビを採ったり……。アウトドアというか外遊びが好きな子どもでした。社会人になってからは忙しくて外遊びから離れていたのですが、転職をして時間の余裕ができて。子どもの頃のようにまた外遊びをしたいなと思い、フライフィッシング(※)を始めることにしました。

※虫を模した軽い毛針=フライを疑似餌とする釣り。主に渓流や湖で行う。りさらいずさんも多くのフライを自作する

アウトドアYouTuberのりさらいずさんと愛車「えだまめ号」(日産バネットバン)

なぜ、フライフィッシングを?

りさらいず
海釣りはやったことがあったので、あえて経験がなく、難しいとも言われるフライフィッシングに挑戦してみようと。竿の振り方やフライの作り方などはYouTubeを見て、勉強しました。


と、同時に自分の釣りの成長記録として、2020年6月から釣りの様子をYouTubeにアップし始めました。すると、最初の動画からかなり反響があり、コメントをくださる方がたくさんいらっしゃったんです。当時、女性でフライフィッシングの動画を上げる人がほとんどいなかったのもあるかと思いますが、やはり反応があると嬉しくて。


次第に視聴者さんと北海道の魅力や思い出を共有したいと思い始め、「RISA RISE/りさらいず」としてYouTubeに力を入れるようになっていきました。いまでは、北海道の自然の風景をより美しく見せるための映像を大切にしたり、視聴者さんが一緒に旅している気持ちになれるような撮り方をしたりするなど、自分なりに工夫をしています。

撮影や編集はご自分でされるのですか?

りさらいず
DIYや車中泊は、自分で撮影しています! 釣りなどの撮影はプロ視点で映像を作りたいので、カメラマンさんにお願いしております。機材は、デジタル一眼カメラをはじめとして、GoPro、iPhone、ドローンとシーンに合わせて使い分けています。編集も試行錯誤しながら自分でやっています。

活動開始から4年経ち、もうすぐチャンネル登録者数も20万人に届きそうですが、現在は専業でYouTuberとしての活動をされているのでしょうか?

りさらいず
そうですね、いまは専業です。YouTubeでの配信を中心に、自治体・企業さんからお仕事をいただいたり、メディアやイベントに出演したりするなど活動の幅も広がりました。


自分の記録として始めた当初から考えると、まさかここまでになるとはとびっくりしています。フライフィッシングにしてもDIYにしても私の知識はまだまだ。私が視聴者さんに教えるというよりも、逆にコメントでアドバイスをいただいています。完璧を目指すのではなく自分なりの発想やアイデアを大切に、楽しみながら活動させていただいております。
チャンネル登録者数10万人達成記念に、YouTube運営から届けられる「銀の盾」

アウトドアの拠点として「えだまめ号」を購入し、自分1人でDIY

愛車の「えだまめ号」はどのような経緯で入手されたのですか?

りさらいず
フライフィッシングを始めて、キャンプなども楽しんでいたのですが、運転免許を持っていなかったので、移動時には釣り仲間の車に乗せてもらっていました。しばらくしてもっと自分で自由にいろいろなところを冒険したいと思い、運転免許合宿に行き、2週間で免許を取りました。


その後、いざ車を検討していく中で単なる「移動手段」ではなく、釣りの道具やキャンプ用品など積み込める「アウトドアの拠点」にもなるような車にしたいと思ったんです。それで予算やサイズなどを考慮した結果、中古の日産バネットバンに決めました。

初心者でいきなりバネットバンの運転は怖くなかったですか?

りさらいず

実際に乗ってみると、運転席の位置が高い上に、フロントが出っ張っていないので見通しがよく、思いのほか怖くはありませんでした。今では、小さい車に乗ると地面が近くて逆に怖いくらいです(笑)。

「えだまめ号」のDIYはどのように進めたのですか?

りさらいず
YouTubeのDIY動画などを参考に、バネットバンだったらどんなふうにアレンジできるかを考えながら、試行錯誤しました。


大がかりなDIYは初めてでしたが、母が家具などをよく手作りしているのを見てきたので、私自身も簡単な棚や釣り道具を作ったりはしていました。それもあって、車のDIYも1人で抵抗なく取り組めた気がします。


実は企業さんから「一緒にやりませんか」とお声がけもあったのですが、自分で車を改造する工程も楽しみたかったので、あえて、1人でやることを選びました。

「欲しいものは作る」 試行錯誤しながら増やしていったお気に入り

車内外から小物に至るまで、りさらいずさんのオリジナリティーにあふれた「えだまめ号」。各箇所のこだわりポイントを教えてください。

■塗装

元は白色だった外装を、えだまめ色にチェンジ。寄りで見ると、ムラなく塗装されているのがよくわかる
りさらいず

塗装にはタカラ塗料の「グリーンソイビーンズ」を使用。このカラーが「えだまめ号」らしさになりました。はけとローラーを使い、1人で5日ほどかけて全塗装しました。その後、なんと「えだまめ号」はタカラ塗料が主催する「第4回刷毛塗全塗装 カーメイクアップコンテスト2021」で第1位に輝きました。

■内装

壁の内張りをはがして断熱材(グラスウール)を充填する様子
りさらいず

北海道の寒さに耐えられるよう、車内の床は純正シートをはがし、床の形に合わせてカットした断熱シート、スタイロフォーム(ポリスチレンフォームの断熱材)、OSB合板(木質ボード)を順に重ね、その上に人工芝を貼って仕上げています。壁と後方ドアは内張りをはがしてグラスウール(アクリアマット)を充填しています。

床は人工芝、壁は木目、天井はニジマス柄と、アウトドア感たっぷりの「えだまめ号」の内装
りさらいず

内張りには木目シートを貼りました。天井も内張りをはがして断熱シートを貼り、内張りには大好きなニジマス柄をスプレー缶で塗装しました。かなりニジマスっぽさが出ていて、お気に入りの部分です。

■FF式ストーブ

ベッド下にあるFF式ストーブと車外に取り付けられた給排気管
りさらいず

北海道での冬の車中泊では寒さ対策は死活問題です。「えだまめ号」は、床と壁の断熱はしっかりしましたので、電気毛布があればなんとか寒さをしのげましたが、もっと快適に車内で過ごしたいと思い、車用のFF式ストーブを取り付けました。

FF式ストーブ設置の際、ドリルで車体に穴を開ける様子
りさらいず

吸排気の管を通すために車体に穴を開けるのは本当に勇気がいりましたが、取り付け完了してストーブをつけると、真冬でも半袖半ズボンで平気なくらいの暖かさになりました。ただ、雪で吸排気口が埋まってしまわないように注意が必要です。

■ベッド

自らDIYした伸縮式ソファベッドは、収納スペースとしても活用
りさらいず

ベッドとして使うときは広々、そうでないときはコンパクトになるよう伸縮式ソファーベッドを車内に合わせて設計しました。ベッドの下に、釣りの道具、車中泊に必要なもの、充電器などがすべて収納でき、車の中がすっきり。

■テーブル

壁に取り付けた折りたたみテーブル。ソファベッドとともに使うことでデスクワークもできる
りさらいず

最初の頃は自作した折り畳み式の小さなテーブルを使っていましたが、もっと使いやすくならないかと考え、車の壁に取り付ける形の折り畳みテーブルを作りました。テーブル面も広く、使わないときは壁と一体となってじゃまになりません。仕事に食事にと車内で過ごす時間がより快適になりました。

■カーテン

手軽に取り外しができる遮光カーテン
りさらいず

車中泊をするとき、外からの視線を遮るのは大切です。伸縮式ののれん棒をフック付き磁石に結束バンドで固定したもので遮光カーテンを吊るしています。カーテン以外は100円ショップの商品を使用しています。

ロッドホルダーと照明

天井に取り付けられたロッド(釣り竿)ホルダーとLEDライト
りさらいず
ロッドホルダーはロッドのグリップ側は伸縮フリーバンド、先端部分はU字の金具とカラビナの組み合わせで固定しています。移動する際にいちいちロッドを畳まなくても済むのでとても便利です。


照明は塗装した2本の木材にLEDライトを固定して取り付けました。光量調整ができるのが便利です。


こんなふうに「えだまめ号」は、最初の形から臨機応変に作り変えて今に至っています。これからもまた、どんどんバージョンアップさせつつ大切に長く乗っていこうと思っています。何か欲しい装備やアイテムが出てきたら、「買う」のではなくて「作る」でいきたいですね。

移動手段、遊びの拠点、仕事場、交流の機会…マルチな役割を持つ「えだまめ号」

「えだまめ号」が完成してから、りさらいずさんのアウトドアライフにはどんな変化がありましたか?

りさらいず
なんといっても旅が気楽になりました。私は北海道内あちこちを訪れているのですが、目的地まで片道5時間なんていうのもザラです。「えだまめ号」がなかった頃はホテルで1泊することもありましたが、いまはパーキングエリアに「えだまめ号」を停めて布団を広げればすぐに寝られるので、気兼ねなく旅に出られるようになりました。


また壁に取り付けた折り畳みテーブルによって、車内でも仕事がしやすい環境が整いました。それまでは1泊2日で旅に出たら、家に帰ってすぐに編集をしていました。いまは長めの旅に出ても、途中で編集作業をしたりオンラインミーティングをしたりと「えだまめ号」が仕事場として機能するようになったため、旅の自由度も高まりましたね。

「えだまめ号」に対する視聴者の皆さんの反応はいかがですか?

りさらいず
「えだまめ号」って道路を走っていると結構目立つんですよね。「えだまめ号」と一緒にいると、「あ! りさちゃんだー」と、すれ違いさまに手を振ってくれたり、駐車中の「えだまめ号」を見つけて話しかけてくれたりする方が増えました。


視聴者さんと話す機会はなかなかないので、「えだまめ号」をきっかけに交流できるのが思いがけなかったうれしいことですね。これからも、「えだまめ号」を見かけたら、ぜひ声をかけてほしいです!
設計から塗装、組み立てまで、りさらいずさん完全オリジナルの「お酒ボックス」。実は手前の日本酒は取材当日にキャンプ場で出会った、りさらいずさんのファンがプレゼントしてくれたもの

大きな夢へ向かうために、さらにさまざまな場所へ

りさらいずさんのように車をDIYして旅をしてみたいという方に、何かアドバイスはありますか?

りさらいず
まず車は、自分がその車で具体的に何をしたいのかを想像しながら選ぶのが良いと思います。私も最初は別の車を探していました。レトロかわいい見た目に惹かれたためでしたが、その車種だと荷物もあまり載せられず、車中泊も無理でした。アウトドアの拠点にしたいという気持ちに立ち返ったことで、私はバネットバンというベストな選択ができました。つけ加えると、燃費の良さも併せて考えておいたほうが良いかもしれませんね。
りさらいず
DIYに関しては、こだわりを持って、自分が楽しみながらやるのが一番かなと思います。自分で手間暇かけて作ると、もし壊れてしまったときにも自分で直せるんです。出来上がるまでの過程がすべてわかっていますから。そして、何より車との大切な思い出ができます。たとえ失敗したとしても、それも味だと思えてくるものです。だから、完璧を目指すよりも楽しみながらやれば良いのではと思います。


ただ、DIYでひとつだけ注意してほしいのは、FF式ストーブなどの取り付けや車内での火の扱いです。便利なアイテムではあるのですが、一歩間違うと命に関わる危険が伴います。使用する際は必ず換気をして、一酸化炭素チェッカーをつけましょう。


実は私の父は電気工事士の資格を持っているので、FF式ストーブ取り付けの最終チェックをお願いしました。危険を伴う取り付けについては、入念に調べて最大の注意を払って行ってください。もし、わからない場合はプロに相談するのをおすすめします。

北海道内をほぼ制覇したりさらいずさんですが、これから「えだまめ号」とともに行きたい場所はありますか?

りさらいず
北海道であればフェリーに乗って利尻島や礼文島などの離島に行ってみたいですね。同じくフェリーに「えだまめ号」を乗せて、道外にも訪れてみたいです。北海道にはないきれいな景色も見てみたいですし、道外で見てくださっている視聴者さんも多いので、そんな方たちと出会う機会を設けられたらうれしいです。

—最後に、現在の活動の先に目指していることはありますか?

りさらいず
夢は「北海道観光大使」です! 「えだまめ号」で北海道を巡る中で、北海道の自然や食の素晴らしさやアクティビティの豊富さ、人の温かさなどの魅力に改めて気付かされることが多いんです。もちろん、YouTubeで発信することも大事なのですが、いずれはもっと広く道外の方々に北海道の魅力を伝えていきたいなという野望を密かに抱いています。
PROFILE
川村健一
RISA RISE/りさらいず
動画クリエイター

北海道生まれ。北海道を拠点に自らDIYした車「えだまめ号」で旅をしながら、フライフィッシングやキャンプなどアウトドアの素晴らしさと北海道の魅力をYouTubeやSNSで発信。YouTubeチャンネル「RISA RISE/りさらいず」は登録者数19万人を突破。企業とのコラボ、メディア出演も多数。

YouTube:https://www.youtube.com/@risarise5831

Instagram: https://www.instagram.com/risa__rise/

CREDIT

取材・執筆:わたなべひろみ 撮影:高田賢人 編集:野阪拓海(ノオト)

ブランド名

商品名が入ります商品名が入ります

★★★★☆

¥0,000

PROFILE

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

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