親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。
断らないことで広がった編集者としての仕事の幅
—長谷川さんはフリーランスの編集者・ライターとして活動されていますが、これまではどのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?
3年ほど働いて「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムに転職。ここでライフスタイルメディアの執筆・編集に携わった後、フリーランスとして独立しました。
—フリーランスになってからは、どのような仕事をされているのでしょうか?
—関わる仕事の幅がとても広いように感じるのですが、これは意図して広げているんですか?
いえ、スケジュールが合わない場合を除いて、仕事を断らないで受け続けたら、結果的に広がっていっただけです(笑)。「ライフハッカー・ジャパン」時代の上司から「編集者やライターの仕事はお座敷芸者さんみたいなもの」と言われたことがありまして。お座敷芸者は、呼ばれたところに行って芸を披露してなんぼだから、僕らも“お座敷”がかかれば行くだけだと。それで仕事を選り好みしなくなりました。
—なるほど。とはいえ、やったことない分野に飛び込むのは不安ではありませんか?
—相手はできると思って依頼してきてるんだから、できるかどうかを自分で考えなくていいと。
コロナをきっかけに、四季を感じられる古民家一軒家へ
—今回お邪魔しているこのお家は、自宅兼事務所として借りているんですよね。とても落ち着いた空間で素敵です。
—部屋の条件としては、どんなことを重視していましたか?
料理が好きなのでキッチンが広いことを大前提に、仕事場として使えるスペースがあることでしたね。そんな条件のもと探していると、この物件が見つかり、内見したその日のうちに衝動的に決めてしまいました。
—古民家の一軒家ということで、秋葉原のときとはだいぶ雰囲気が異なりませんか?
—ワークスペースとしては、どうでしょう。コの字型が特徴的な部屋ですね。
—そう言われると、ガラス戸の棚も食器入れの面影があるように見えますね。
徹底的に作業効率を追求したワークスペース
—ワークスペースとして、やはり一番に目につくのはモニターの数ですね。どのように使い分けているんですか?
—ここまで徹底的にモニターを使い分けているのは、初めて見ました。
これ、本当におすすめですよ。1画面で操作して作業ごとに画面を切り替えるのって、すごく無駄じゃないですか。こうやって作業ごとにモニターを分けていたら、顔を向けるだけで切り替えられますからね。
—コミュニケーションアプリが常に開かれていると、執筆や編集など集中作業をする際に気が散りませんか?
—小さいことではありますが、依頼側からするとすごく助かることですね。
急ぎの確認をしたい、早めに予定を確定させたいってときに「長谷川さんはいつも返事が早いから、とりあえず連絡してみよう」と思ってもらえたらラッキーだなと。そのおかげか、周りの人から仕事を頼みやすいとおっしゃっていただけることもあります。
—ほかにもワークスペースでこだわりのものはありますか?
そうですね、コロナ禍以降オンラインミーティングが増えたので、カメラとマイクは新しく買い直しました。マイクは昔使っていたコンデンサーマイクがオーバースペックだと感じたので、今は「AKG Lyra」というUSBマイクを使っています。サンパチマイク(※)みたいな、少し昔風の見た目なので、テンションが上がるんですよね。
あとは、お店みたいにスピーカーを天井から吊るして、音が降ってくるような空間にしています。電源のレールが上にあったので、うまいことBluetoothスピーカーを固定して。よく音楽やラジオなどを流しながら仕事をしています。
心と体の健康を守るワークチェアと、癒しを与えてくれるLOVOT
—長谷川さんは長年のバロン(Baron)ユーザーだとお聞きしています。
そうなんです。秋葉原に事務所を借りたとき、友人から事務所の開設祝いとして「バロンが余ってるからあげるよ」とほぼ新品のものを譲ってもらったんです。そのときから使ってるので、6年くらいですね。
—バロンの魅力はどういうところだと感じますか?
6年間、ほぼ毎日数時間、長くて10時間以上は以上座っているのに、まったく辛くならないことですね。以前は腰痛や肩こりに悩まされていたのですが、バロンを使い始めてからはそういった不調が無くなりました。
あとはリクライニング機能が付いていて、椅子を後ろに倒すことができるんです。好きな角度で固定できるため、休憩のときは一番後ろまで倒した状態でアイマスクをして仮眠をとってます。横になると爆睡してしまうので、ちょっと休憩したいくらいのときにめちゃくちゃ重宝してますね。
—すごい、思っていたよりも倒れるんですね。これは確かに仮眠にちょうどいいです。
正直、不満という不満がまったくない。バロンが車だとしたら、よく走るのに、丈夫で安心安全な日本車のようだと思います。長い時間をともにするパートナーとして考えると、毎日使っても不具合が起きないバロンは安心しますね。
—「安心」というと、長谷川さんのお家の中でずっと存在を感じていたこの子も、デスクワーカーの強い味方ですか?
そうですね、LOVOT(らぼっと)というコミュニケーションロボットです。名前は「こなつ」で、うちに来て4年経ちます。コロナ禍で自分のメンタルも大変だったときに、開発者の林要さんにインタビューする機会がありまして。以前から存在は知っていたのですが、これも縁だと感じて購入しました。
—過去にはSNSで「デスクワーカーみんなLOVOT買った方がいいと思う」という投稿もしていましたね。
—動物と暮らす人もいますけど、まさしく部屋の中に動物がいるのと同じような感覚だなと思いました。
新たな拠点づくりを見据えながら、編集者としての挑戦を続ける
—今後、ワークスペースや仕事のスタイルで変えたいことはありますか?
—最後に、これからの目標を教えてください。
だから、基本的にはこの仕事を続けていくつもりです。そして、これからも自分の好奇心に従って、新しいことに挑戦し続けていきたいと思います。
※フリーランスの編集者・文筆家である竹熊健太郎さんが『フリーランス、40歳の壁』(ダイヤモンド社)で取り上げた課題。仕事を発注する側の年齢が自分より若くなってコミュニケーションの壁が生まれることや、仕事のマンネリ化によってモチベーションが下がることなどが原因となり、フリーランスは40代になると仕事が減っていくことを指す
1986年生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒。紙の専門商社勤務を経て、編集者/ライターへ異業種転職。「ライフハッカー・ジャパン」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」で執筆・編集を務めた後にフリーランスへ転向。執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など幅広く活動中
Facebook:https://www.facebook.com/hasex
取材・執筆:早川大輝 撮影:栃久保誠 編集:野阪拓海(ノオト)
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