親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。
日々をいきいきと過ごしている人=さまざまな「好き」を探求している人にお話をうかがう連載企画「となりの偏愛LIFE」。第11回のゲストは、名古屋テレビ(メ~テレ)のディレクター“メモ少年”こと篠田直哉さんです。
偶然見たネタで一目惚れ! いつしか付いたあだ名は“メモ少年”
— 篠田さんがロバートと出合ったきっかけは、何だったのでしょうか?
篠田
メ~テレディレクターで、ロバートの熱狂的ファンである篠田直哉さん
—運命的な出合いを果たしましたね! それから、ライブにも行くようになったんですね
メモしたノートは、合計で31冊に。今でもロバートと仕事をする前には読み返し、雑談のネタや企画のアイデア探しに使っているそう
何気ない一言から、ロバートまみれの人生が幕を開けた
—ロバートの一ファンだった少年時代から、どのように今のお仕事をするに至ったのでしょうか?
—ファンなら舞い上がってしまいそうな言葉ですが、篠田さんは冷静に実現のための道筋を見据えた、と。
—そこはブレませんね!
—それで本当にテレビ局のディレクターになってしまうのだから、すごいです! ご家族は、ロバート中心の篠田さんの生活や進路選択に反対したり、「追いかけるのをやめろ」と言ったりすることはなかったのでしょうか。
社会人になっても冷めない愛。仕事との両立のカギは“スキマ時間”
—実際にテレビ局に入社してみて、篠田さん自身に変化はありましたか?
「秋山歌謡祭2024」での、篠田さんと秋山竜次さんとのツーショット(©メ~テレ)
—篠田さんはテレビ局のディレクターとして、とても忙しく過ごされていますよね。そうした生活では、ロバートが出ているものも含めてたくさんの番組を見るのは大変ではありませんか?
推しと仕事をしたいなら、あえて“遠回り”も一つの手?
―「篠田さんのように、推しと仕事がしたい!」と思ったら、どういったことを心がけると良さそうでしょうか。
「推しと仕事をする」というと、マネージャーになる、メディア関係の仕事をするといったことが考えつくと思います。ただ、必ずしもそれだけではないですよね。例えば以前だと、エンジニアをしていて、ゲームを作るのが得意な方が、ロバートのネタをゲームにして展示会に出したことがありました。
―では逆に、推しをサポートする上で注意したほうが良いことはありますか?
必ずしも今、推しが認められなくていい。愛し続けて、時を待つべし
―篠田さんは「ロバートを布教する喜び」が原動力である印象がありますが、布教しても思うように周囲が推しにハマってくれず自分も傷つく、いわゆる“布教疲れ”になったことはありませんか?
―なるほど、推しが輝くタイミングを待つ……といったことでしょうか。
そうですね。僕だって、キングオブコントで優勝する前から「ロバートが面白い」と言い続けてきていなければロバートの皆さんから信頼されておらず、一緒にお仕事もできていなかったと思います。
やりすぎは良くないですが、自分の心が折れない程度に推して、布教も続けていくのが大切なんじゃないでしょうか。
篠田さんが企画・運営するYouTubeアカウント「メモ少年(旧テレビ局の生活)」で「【ロバート秋山】元ストーカーがテレビ局員に。職権濫用で番組に呼ばれる」という動画を投稿。この動画がきっかけとなり、書籍出版に至る
―愛を説き続けることが大切なのかもしれませんね。そんな篠田さんの、今後の展望を教えてください。
テレビ局のディレクターとしての目標は、「秋山歌謡祭」を今後も作り続けること。あとは、ロバートのバラエティ番組も手掛けたいですね。
僕個人の目標としては、ゆくゆくはコンテンツ全般のディレクターになりたいと思っています。最近はYouTubeや動画配信サービスもあって、テレビの視聴率が全てじゃなくなってきています。でもそれは悪いことではなくて、逆に言えば出演者が話題になるチャンスがあちこちにあるということなんですよね。
僕も10代まではたくさんテレビを見ていて、大学生ぐらいからはYouTubeを見てと、ちょうど過渡期に育ってきた自覚があります。そういった経験も活かしながら、「この内容は地上波で視聴率を取って、こっちはYouTubeでバズらせる」と、両軸で戦える人間になっていけたらと思っています。
篠田 直哉(しのだ なおや)
1996年生まれ。大阪府出身。法政大学社会学部メディア社会学科卒業後、メ~テレ(名古屋テレビ放送株式会社)に入社。現在はディレクターとして、多数の番組の企画・制作を手掛ける。著書に『ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。~メモ少年~』(発行:東京ニュース通信社、発売:講談社)
取材・執筆:シモカワヒロコ 撮影:村山直章 編集:野阪拓海/ノオト
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