フィジカルトレーナー・中村豊さんに聞く! 世界トップアスリートを支えるプロが教える、仕事の生産性を上げる体の整え方
専門家に聞く!WORK GOOD

フィジカルトレーナー・中村豊さんに聞く! 世界トップアスリートを支えるプロが教える、仕事の生産性を上げる体の整え方

#仕事・働き方 #健康的なくらし #在宅ワーク

オフィスで、お家で、サードプレイスで……さまざまな仕事スタイルが増えた昨今。しかし、どこで働いていても仕事の悩みはつきまといます。連載企画「専門家に聞く!WORK GOOD」では、そんな悩めるワーカーのモヤモヤを解消し、スッキリとした気持ちで仕事に臨むためのヒントを、さまざまな分野の専門家が解説します。


自宅が仕事場となる在宅ワーカーにとって、避けて通れないのが運動不足と体の不調です。通勤という移動時間がなくなった分、座りっぱなしの時間が長くなり、肩こりや腰痛、猫背、巻き肩といった悩みを抱える人が増えています。ところが、健康を維持したい、仕事の生産性を上げたいと思っても、忙しい毎日の中でトレーニングを続けるのは、初心者にとってはハードルが高いのではないでしょうか。


第22回は、テニスプレイヤーの錦織圭選手や大坂なおみ選手、マリア・シャラポワ選手など、世界トップクラスのアスリートを支えてきたストレングス&コンディショニングコーチの中村豊さんにインタビュー。在宅ワークの合間にもできる、椅子に座ったまま体を整えるエクササイズから、仕事のパフォーマンスを最大化するための睡眠や食事の考え方まで、プロの知見を伺いました。

アスリートもデスクワーカーも、体を整える重要性は同じ

フィジカルトレーナーの中村豊です。私は普段、プロテニスプレイヤーなどのトップアスリートのトレーニングやコンディショニングを指導しています。


アスリートとデスクワーカーでは、住む世界が違うと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。最高のパフォーマンスを発揮するために、まず体を整えるという根本的な考え方は、アスリートも在宅で働く皆さんも同じなのです。


在宅ワークにおける最大の問題は、ズバリ「動かないこと」。人間の体は多くの筋肉で構成されています。それらを動かして、筋肉の収縮と弛緩を繰り返すことで血行がよくなり、柔軟性が保たれるのです。ところが、長時間座りっぱなしで動かないと、筋肉は凝り固まり、重力の影響で姿勢はどんどん前へ崩れていきます。


筋肉は、車で例えるとエンジンです。動かさないことで筋肉への刺激がなくなると、肺活量が減り、活力が失われ、結果として仕事の生産性も落ちてしまうという負のスパイラルに陥ってしまいます。その状況から抜け出すには、激しい負荷のトレーニングをしようとする前に、まずは崩れた姿勢をリセットし、正しい状態を体に思い出させることが不可欠です。

意識したいのは「体の後ろ側の筋肉」。5つの簡単エクササイズ

現代人は「押す」動作が多く前かがみになりがちなので、意識的に「引く」、つまり背中やお尻など、体の後ろ側の筋肉を使うことが大切です。


「体力をつけるためにジムに行かなければ」と意気込む必要はありません。まずは今の作業環境、つまり椅子に座ったままできることから始めましょう。


椅子に座っておこなうエクササイズは足への負担が少なくなり、骨盤の位置や肩甲骨の動きに意識を集中しやすくなります。仕事の合間に、以下の5つの動きを取り入れてみてください。


正しい姿勢をつくるためのエクササイズ

まず、股関節と膝が90度の角度になるように椅子に座ります。その状態で、背中を丸めます。そこから骨盤をグッと立て、目線を高くして肩甲骨を寄せ、背骨がS字を描くように意識して5秒キープ。これを5回繰り返しましょう。


このときに反り腰になってしまう人も多いので、自分の姿勢を横から鏡でチェックしてみてください。股関節と肩、耳の位置が一直線に並んでいればOKです。


デスクワークは前かがみの姿勢が続くので、巻き肩になり、目線が下に向きがちです。このエクササイズで骨盤を立てると目線が高くなり、正しい姿勢を意識できます。

②以降のエクササイズは、この姿勢をキープしながら行ってみましょう。


②背中を刺激するエクササイズ

よい姿勢を保ったまま、両腕を横に広げ、肩甲骨を中央に寄せるように絞ります。胸の筋肉が伸びるのを感じながら5秒キープ。これを5回繰り返しましょう。


③柔軟性を取り戻す体幹回旋

背筋を伸ばして座り、片手で反対側の膝を押さえながら、真後ろを向くように体をひねります。左右5秒ずつキープしましょう。


腰痛や肩こりに悩む人は、体の柔軟性に左右差があるケースが多いです。左右で回しにくい方があれば、そちらを重点的にストレッチしましょう。

④お尻のストレッチ

骨盤を立てて座った状態で片方の足首を反対の膝の上に乗せ、背筋を伸ばしたまま上体を少し前に倒します。このとき、背中が丸まらないよう注意しましょう。お尻の筋肉が伸びるのを感じて5秒キープ。左右同様におこないます。


⑤壁を使った姿勢チェック

壁に背をつけて立ち、後頭部、肩、お尻を壁にピタッとつけます。顎を引き、正しい姿勢を確認して5秒キープ。これも5回繰り返しましょう。デスクワークをしていると顎が前に出がちですが、このエクササイズで矯正できます。


この5つの動作は、背面の筋肉を刺激しながら、体に正しいポジションを思い出させるものです。


運動をしようと意気込むと、いきなり筋トレやジョギングをしたくなりがちですが、まずは体を整えることから始めましょう。その後で、プランク(うつ伏せの状態で前腕・肘・つま先を地面につけ、姿勢をキープする体幹トレーニング)などの簡単な種目に取り組んでみてはいかがでしょうか。正しい姿勢でトレーニングすることで、効果もアップします。

脳と体をリフレッシュさせる「鼻呼吸」の重要性

仕事に集中しすぎると、無意識に呼吸が浅くなったり、止まったりしていることがあります。呼吸は、自分をアクティブな状態にする交感神経と、リラックスさせる副交感神経からなる自律神経をコントロールします。心身のオンとオフのバランスを取るために、呼吸は重要な役割を担っているのです。


私がおすすめしている呼吸法をご紹介します。以下の方法で、5回呼吸してください。


4秒かけて鼻から吸う

4秒止める

8秒かけてゆっくり鼻から吐く


ポイントは、吸うのも吐くのも鼻でおこなうことです。鼻呼吸は酸素の摂取効率を高め、自律神経を活性化して脳をリフレッシュさせます。吸う動作で交感神経が優位になり、吐くことで副交感神経が働き、体がリラックスします。


姿勢が崩れて巻き肩になると、肺が圧迫されて息を深く吸えなくなります。先ほど紹介したストレッチで姿勢を整えてからこの呼吸法をおこなうと、驚くほど体が楽になるのを感じられるはずです。呼吸を通じて自分の体の詰まりに気づくことが、体調管理の第一歩になります。

最高の生産性を生み出すための3つの要素

アスリートが最大限のパフォーマンスを発揮するために必要なのが「トレーニング」「リカバリー(回復)」「栄養」の3つですが、これらの要素は在宅ワーカーにも当てはまります。

まず、最も手軽で効果的な運動は歩くことです。可能であれば、朝に散歩することをおすすめします。朝の散歩は体をフレッシュな状態にし、その日の生産性を高める意識づけになるからです。先ほどご紹介した5つのエクササイズと合わせて、散歩もできると理想的ですね。


朝に体を動かす時間が取れないなら、夕方の散歩も効果的です。1日の仕事でついた体の癖や疲れをリセットし、充電する効果があります。


歩くときは、頭の上に本を乗せているようなイメージで、背筋を伸ばしてください。ずっと意識し続けるのは難しいので、「1分だけ集中して、次の1分はリラックス」といった形で歩いても効果があります。


体のリカバリーのために大切なのが、睡眠です。理想を言えば7時間半から8時間は確保したいところです。日本人は世界的に見ても睡眠時間が短い傾向にありますが、睡眠不足は生産性を著しく下げます。夜に十分な睡眠時間が取れないなら、午後2時〜3時ごろに20〜30分の仮眠を取り入れてください。目を閉じて、情報を遮断するだけのリフレッシュでもOKです。これだけでも脳を休める効果があります。


食事については、仕事がある日はできるだけ決まった時間に摂取することが大切です。同じサイクルでエネルギーを補給することで、体のリズムが整い、日中の生産性が安定します。休日は、このサイクルが少しずれても構いません。無理のない範囲で、習慣をつけていきましょう。

完璧を目指さない。ハードルを下げることが継続のカギ

運動を習慣にしようとして失敗する人の多くは、最初から「毎日30分歩こう」「ジムで1時間がんばろう」とハードルを高く設定しがちです。


しかし、一番大切なのは継続することです。プロのアスリートであっても、モチベーションが上がらない日や、疲れ切っている日はあります。そんな時、私は選手に「予定の半分でいいからやろう」「10回が無理なら5回でいいから動こう」と伝えます。やらないという選択肢をなくし、ほんの少しでもいいから前進することが大切です。


体を動かすことを習慣にしたい人は、まず散歩から始めるといいと思います。外に出ることで、生活にメリハリがつくからです。やる気が出ず、家の玄関のドアを開けることさえ億劫に感じる日は、5分だけ外に出るだけでも構いません。その5分が、1日の活力につながります。


健康でいることも、仕事を充実させることも、日々の小さな意識の積み重ねです。まずは今日、椅子に座ったまま一度だけ背筋を伸ばし、深く鼻呼吸してみてください。体を整える小さな一歩が、生産性の高い仕事をするための土台となるはずです。

PROFILE

中村豊

ストレングス&コンディショニングコーチ

1972年生まれ。テニス留学をきっかけに渡米し、運動生理学を学ぶ。錦織圭、マリア・シャラポワ、大坂なおみなど世界トップアスリートのフィジカルを手がけ、数々のメジャータイトル獲得に貢献。世界のプロスポーツ界で最も注目されるフィジカルトレーナー。

CREDIT

取材・執筆:御代貴子 アイキャッチ・図版:サンノ 編集:モリヤワオン(ノオト)

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PROFILE

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

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