作業療法士・菅原洋平さんに聞く! 脳のはたらきに合わせた、効率の良い仕事の進め方
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作業療法士・菅原洋平さんに聞く! 脳のはたらきに合わせた、効率の良い仕事の進め方

#アイデア・工夫 #仕事・働き方 #在宅ワーク

コロナ禍を経て、広く浸透した在宅ワーク。1人で作業をする在宅ワークでは、ダラダラ過ごしてしまう、仕事に集中していたらお昼休みをとらないまま気づけば夕方……など「仕事のメリハリがつけられない」「仕事の効率が悪くなってしまう」という声も多く聞かれます。


「パフォーマンスのアップに必要なのは、脳の活動に沿った時間割をつくることと、脳をこまめに休ませること」と語るのは、作業療法士の菅原洋平さん。今回は菅原さんにシャッキリ効率よく仕事に取り組むための「脳のリズムに合わせた働き方・休み方」を教えてもらいました。

仕事がはかどらないのは「脳」の特性を知らないから!?

私は、リハビリテーションの専門職・作業療法士として、おもにビジネスパーソンのヘルスケアを行っています。


コロナ禍以降、在宅ワーカーが増えました。在宅ワークでは「出社」と「退勤」という強制力がなくなり「仕事のパフォーマンスが上がらない」と悩む声がよく聞かれます。


「在宅ワークが導入されたせいで、効率が悪くなっている」と感じている人もいるかもしれませんね。ただ、振り返ってみると、時間管理ができている人は働いている日だけではなく休日も充実しているような印象がありませんか? 休日のように行動の自由度が高くなると、意図的に行動を選択できているか否かが顕在化します。


行動の自由度が高い在宅ワークでは、休日と同じように、働き方と休憩をセルフマネジメントしなくてはなりません。ここで大切になってくるのが、脳のはたらきにあわせて仕事の時間割を組むこと。そして、適切なタイミングで脳を休ませてあげることです。

日の光を浴びてから「4時間」は、脳のゴールデンタイム

脳には一日の中で活発になる時間と活動が低下する時間があります。


朝、日光を浴びたときを起点に、脳の覚醒度がピークになるのが4時間後。日光を浴びてから8時間後に下降傾向になり、11時間後に再びパフォーマンスがアップ。16時間後に眠気がやってくるのが脳のリズムです。

これを前提に、朝6時に起床して日の光を浴びた場合で、時間割を考えてみましょう。脳は、明るい光を浴びることで目覚めるので、起床後は窓の近くで明るい光を浴びてください。


午前中に脳の活動はどんどん活発になっていき、10時にピークをむかえます。午前中はメールやチャットなどの連絡に返事をする作業にあてている人もいるかもしれませんが、実は企画書作成やアイデア出しなどクリエイティブ作業が向いている時間です。


起床から8時間後は脳波活動が鈍ってくる時間帯。ちょうどお昼休憩のあと、14時くらいですね。このタイミングは眠くなる人も多いのではないでしょうか。


睡魔に悩まされている人は、眠くなる前に仮眠をとっておくのがおすすめです。起床から6時間をめどに、お昼休憩のタイミングであらかじめ寝ておきましょう。お昼休みに「最短1分、最長30分」目を閉じるだけで、午後の眠気は抑えられ、作業効率もアップします。ちなみに、仮眠のときは「頭を横にして寝ない」のがコツ。頭を横に倒すと睡眠の脳波がでてしまい、夜の睡眠に影響を及ぼします。椅子にもたれかかるような姿勢で仮眠をとるのがベストです。


私が企業の研修で行った生産性調査では、脳の活動に沿わないスケジュールで活動した人は、脳の活動に沿った作業をした人に比べ、10%も作業効率が落ちていました。脳のはたらきに沿っているかどうかで、仕事のパフォーマンスも変わってくるのです。

「脳」も臓器! 休む時間は必要です

在宅ワークだと、つい業務に集中しすぎて、休憩の時間を取らずに作業してしまうことはありませんか? 前提として、脳は臓器だと知ることが大切です。


胃にたとえると、四六時中食べ続けていれば、消化できず胃もたれしてしまいますよね。脳も同じように常に情報を与え続けていては、処理能力は低下します。こまめに脳を休ませ、情報を処理させる時間が必要なんです。


休憩時間は、何時間も必要ではありません。ずっとパソコンの画面を見ているのであれば、「周辺視」というテクニックを使いましょう。部屋の奥にある時計を5秒見つめる、窓の外を30秒眺めるなど、視線をそらしてぼんやりしているだけでも脳を休ませることができます。

休憩時にスマホを見ている人も多いかもしれませんが、脳にとってはスマホで見るゴシップ記事も、大切な企画書の資料も同じ「情報」。休憩をしているつもりが、脳はエネルギーを使ってしまいます。数秒でいいので、画面から目を離して脳を休ませましょう。「処理する時間」と「休む時間」のリズムを作ってあげることが大切なのです。

「主導権を握った働き方」と「能動的な休憩」を意識して

脳にとって一番のストレスは「外乱」です。外乱とは、自分の予期していないことが起こること。突然インターフォンが鳴ったり、メールやチャットの通知がきたり、自分のコントロール外のものに作業が中断されてしまうことを指します。


たとえば、資料作成に熱中していたところで「ポン!」とチャットが届く。取り急ぎ返信だけして作業に戻りますが、「あれ? どこまで作ったかな?」と強制終了された部分を思い出せず、また1から資料を見直す……。よくあることではありますが、これは脳にとっては大きなストレス。在宅ワーク中の外乱を起こさないためにも、集中するタイミングだけでもメールやチャットの通知は切っておき、自分の意思で連絡を確認しましょう。


また、能動的に休憩を取ることもポイントになります。作業の合間に休憩を取る際も、「できた」と声に出してから自分の意思で休憩に入りましょう。「できた」と言うだけで、脳には記憶のパッケージが作られます。外乱によって中断されたものとして認識されないため、休憩後でもスムーズに作業に戻れます。

ちなみに脳に合わせた時間管理をするのなら、4つの時間軸を使い分けることがポイントです。これに合わせて、こまめな休憩を計画しておくと脳へのストレスは軽減できます。


◆ 考え事をするなら、5分まで

ひとつのことを考え続けられるのは、5分程度が限界といわれています。どうしても雑念が生まれてくるため、何か考え事をするなら5分と区切るのが良いでしょう。


◆ 調べものをするなら、15分まで

集中して作業していても、約15分に一度は「マインドワンダリング」が発生すると言われています。これは、お昼の献立や週末の予定など、目の前の作業に関係ないことを思い浮かべてしまうことです。


◆ 座り続けることができるのは、30分まで

同じ姿勢で30分座り続けると、脳の血流量が低下するといわれています。脳の血流が低下すると働きも鈍くなるため、30分ごとに立ち上がって、全身に血をめぐらせるだけでも作業効率は高められるでしょう。


◆ 知的作業の限界は、90分

大学の講義が90分で区切られているように、人間の集中力の限界は90分と言われています。会議や作業をする際にも、最大90分と覚えておきましょう。

自分にぴったりな脳の使い方を見つけよう

「脳のリズム」に合わせた働き方のコツをお伝えしてきましたが、これはあくまで一例です。これらを実践しながら、自分にあったリズムを見つけていきましょう。


なかなか習慣にならないという人も、週のうち4日は実践してみてください。脳は、1週間のうち過半数を占める行動のリズムを「正しい」と判定し、他のリズムも「正しい」と判定されたリズムに同調していき、自然に習慣になっていきます。


できるところから、実験してみる。実験して良かった方法を生活に取り入れてみると、それが新しい習慣になっていくはずです。自分の脳を上手に使って、仕事のパフォーマンスを上げていきましょう。

PROFILE
高畑正幸

菅原洋平

作業療法士/ユークロニア株式会社代表

1978年、青森県生まれ。国立病院機構にて高次脳機能障害などのリハビリテーションに従事後、脳の機能を活かした人材開発を行うユークロニア株式会社を設立。著書に『すぐやる!「行動力」を高める“科学的な”方法』(文響社)『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)など。


HP:https://activesleep.net/

CREDIT

ライター:つるたちかこ アイキャッチ・図版:サンノ 編集:モリヤワオン(ノオト)

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★★★★☆

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PROFILE

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

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