牛乳の持ち味を引き出す“クラフトマンシップ”が魅力。向井智香さんが語る、ヨーグルトの奥深さ
クオッカ店長とみんなの偏愛LIFE

牛乳の持ち味を引き出す“クラフトマンシップ”が魅力。向井智香さんが語る、ヨーグルトの奥深さ

#カルチャー #ライフスタイル #趣味・遊び

こんにちは! OKAMURA Lifestyle Storeのクオッカ店長です。


普段から椅子のことばかり考えていたら、すっかり椅子マニアになってしまったぼく。でも、世界には椅子だけでなく、いろいろな形で好きなものに愛を注ぐマニアがいるみたい……! そこでこの連載では、椅子マニアのぼくがワークスペースを飛び出して、あらゆるマニアに「好きなものを愛でる楽しさ」を聞いていきます!


連載2回目にお話を伺ったのは、ヨーグルトを偏愛している向井智香さんです。向井さんは2011年からSNSでヨーグルトのレビューを発信し、その点数は現在、約3400種類! 月に食べたヨーグルトの金額が家賃を超えたこともあったそうです。


現在でも1日に約1kgのヨーグルトを食べる生活を続けているのだとか。また、酪農関係のイベント出演や商品開発サポートなど、ヨーグルトについて多岐にわたって活躍されています。なぜハマったのか、どういうところが好きなのか、ヨーグルト愛にあふれたお話をたっぷり聞きました!

PROFILE

向井智香

ヨーグルトマニア/一般社団法人ヨグネット 代表理事

日本全国のヨーグルトを食べ歩き・お取り寄せしながらブログを運営し、約3400種類の商品レビューを掲載(2026年1月現在)。メディア出演、商品開発サポートやレシピ開発、イベント企画、講演会などを行うほか、ご当地ヨーグルトの認知拡大、特に「乳」の魅力発信に力を注ぐ。著書に『ヨーグルトの本』(エムディーエヌコーポレーション)。


ブログ:https://yoghurt.love/


クオッカ店長


クオッカ村出身の、クオッカワラビーの男の子。生粋の椅子マニアでOKAMURA Lifestyle Storeの店長を務めている。ほかのマニアがどんなことに夢中になっているのか、興味津々!

「パルテノ」様との出会いが人生を変えた

読者の皆さんこんにちは! 椅子マニアのクオッカ店長です。今日はヨーグルトマニアの向井智香さんに来ていただきました!
クオッカ店長
向井
こんにちは〜!
よろしくお願いします! 向井さんの服、ウシ柄でかわいいですね〜。
クオッカ店長
向井
リュックから靴下まで、全身ウシ柄で揃えてみました! ヨーグルトを食べていないときもウシさんといっしょです!
ぼくも椅子の模様の服を着てみようかな……。さっそくですが、向井さんがヨーグルトマニアになったきっかけを教えてください。
クオッカ店長
向井
元々、実家の冷蔵庫にヨーグルトがストックされていて、子どもの頃からずっと食べていたのでヨーグルトのことは好きだったんです。当時は深く掘り下げたりはせず普通に食べていたのですが、2011年に出会ったとあるヨーグルトに衝撃を受け、そこからヨーグルトのトリコになりました。
いったいどんなヨーグルトだったんでしょう?
クオッカ店長
向井
それが、森永乳業から発売されている「パルテノ」様です!
“様”付けで呼んでるんですか!?
クオッカ店長

「ギリシャヨーグルト パルテノ」(森永乳業)。写真は、向井さんがパルテノ様のお誕生日(9月1日)をお祝いするために撮影したもの

向井
「パルテノ」様に出会ってなかったら今の私はないですからね。2011年の発売当時、私は関西に住んでいたんですが、「パルテノ」様は関東甲信越の先行販売商品だったんです。それでなんとなく気になって、東京に行ったときにコンビニで買って食べてみたんです。

そしたら……おいしすぎて本当にびっくりしちゃって! 「どうしてこんなに濃厚になるんだろう」「ヨーグルトとクリームチーズの境目ってどこなんだろう」とかヨーグルトに関するギモンが次々に出てきて、ヨーグルトの奥深さに魅了されました。
そんな運命的な出会いがあったなんて……!
クオッカ店長

「全国展開前には関西から夜行バスに乗って東京に『パルテノ』様を食べに行ったこともありました」と向井さん。熱量……!

向井
そこから「自分が知らないだけでもっと面白いヨーグルトってたくさんあるのでは」と、2011年からヨーグルトのレビュー活動を始めたんです。

レビューは現在3400種類を越えました。今は食べるだけでなく、全国の牧場や工場を訪れて酪農や乳業について学んでいます。
すごい数だ! ヨーグルトのどんな要素が、向井さんを引き付け続けているんでしょう?
クオッカ店長
向井
昨今では腸活などヨーグルトの健康面のメリットに注目されることが多いですが、私はヨーグルトの「味」が好きでずっと食べ続けています。
味が好きで、そんなに情熱を注げるなんてすごい……! あらためて、向井さんが考えるヨーグルトの魅力を教えてください。
クオッカ店長
向井
牛乳の持ち味を、ヨーグルトでどう引き出すかの“クラフトマンシップ”でしょうか。産地やウシの種類で牛乳の風味も違うのはもちろんですが、同じ牛乳を使っても、発酵させる菌、発酵温度や発酵時間、使う容器など細かな違いによって味や香りががらりと変わります。

ヨーグルトマニアになってから酪農・乳業の現場を見学させてもらうようになって、ヨーグルトを作る大変さが身に沁みてわかるようになりました。作り手が理想の味を目指して何度も試行錯誤しているのを見ると、「ヨーグルトって人の思いが詰まったものなんだな」と愛しくなります。
そんな観点でヨーグルトのことを考えたことがなかったです。これから見る目が変わっちゃうかも。
クオッカ店長

ヨーグルトにもトレンドがある! 「スイーツ系」「クラフト系」「リッチ系」に注目

向井さんが最近食べたヨーグルトの中で「これは!」と思ったものを教えてください!
クオッカ店長
向井
いろいろ持ってきました!
初めて見るものばかりです。では順番に教えてください!
クオッカ店長

「ダノン 大人の賢いスイーツヨーグルト ショコラフォンデュ」(ダノンジャパン)

向井
こちらは世界的なヨーグルト企業・ダノンの日本法人(ダノンジャパン)が最近発売した「大人の賢いスイーツヨーグルト ショコラフォンデュ」という新商品です。

これはいわゆる「スイーツ系」ヨーグルトですね。ヨーグルトの下にショコラフォンデュソースが敷かれた二層仕立てで、ヨーグルトとチョコレートソースのマリアージュがたまりません。100キロカロリーというヘルシーさもうれしいポイントです。
おいしそう……。ヨーグルトって健康のために食べる印象が強くて、あんまりスイーツと思ったことなかったな〜。
クオッカ店長
向井
実はコロナ禍になる2019年以前に、こうした「スイーツ系」ヨーグルトがぱっと増えた時期があったんです。しかし、新型コロナウイルスの流行で、免疫機能にアプローチするヨーグルトが脚光を浴びるようになり、「スイーツ系」ヨーグルトは鳴りを潜めてしまいました。
コロナ禍がヨーグルトの展開に影響を与えていたとは!
クオッカ店長
向井
この「大人の賢いスイーツヨーグルト ショコラフォンデュ」は、コロナ禍が明けて再び「スイーツ系」ヨーグルトの展開を予感させる商品として印象的でした。

カロリーも低いし、がんばったご褒美のおやつとして罪悪感なく楽しめるというのもポイントです。ダノンは「ダノン ビオ」のような腸活をアピールした商品を多く展開しているのですが、この「スイーツ系」ヨーグルトがダノンから発売されたのもユニークだなと思います。
見つけたら食べてみよっと。その隣のヨーグルトも気になります!
クオッカ店長

「神グルト」(神楽坂乳業)。写真は非売品のミニサイズ

向井
お次に紹介するのは「神グルト」(神楽坂乳業)です。これは、小規模に生産されている「クラフト系」ヨーグルトと言えます。東京の神楽坂に住むお医者さんが大学病院に勤めているときに、過酷な労働で重度の便秘になった経験から自分のために独学で作ったヨーグルトなんです。
ぼくもオカムラの偉い人に「神チェア」を作ってもらおうかな。
クオッカ店長
向井
この「神グルト」は、味ももちろんおいしいんですが、使用する菌も製法も独特で、普通のヨーグルトづくりの枠にとらわれていないのがすごいんです。

牛乳をベースに、オリゴ糖や難消化性デキストリン、乳糖などを配合し、5種類の乳酸菌に糖化菌を加えるなど通常だと絶対に入れないような菌を使っているのが特徴です。「こんなことしていいんだ!」と驚きました。
独学だからこそ、型破りな製品が生まれたんですね。
クオッカ店長
向井
私はもう何百種類、何千種類とヨーグルトを食べているので、だいたいの商品は「この系統だな」って頭の中で分類できちゃうんです。

乳業関係者以外からこんな尖ったヨーグルトが出てくるとはと、マニアとして衝撃を受けた商品でしたね。
ヨーグルトづくりって自由なんだ! それでは3つ目の商品を教えてください。
クオッカ店長

「明治ブルガリアヨーグルトあじわい芳醇 オレンジコンフィチュール 110g」(明治)

向井
大手乳業の明治から発売されている「明治ブルガリアヨーグルトあじわい芳醇 オレンジコンフィチュール」です。これはいわゆる高脂肪な「リッチ系」ですね。
パッケージの見た目もリッチですね。
クオッカ店長
向井
「あじわい芳醇」は2025年1月14日にデビューした明治さんの新シリーズで、「オレンジコンフィチュール」は8月に発売されたものです。オレンジのジューシーさを濃厚な乳脂肪が受け止めてくれて、とろけるような至福の味わいです。

明治は今まで脂肪ゼロなど低脂肪の製品は多く展開していたんですが、こうした乳脂肪分が高い商品はほとんど出していませんでした。その意外性もポイントです。
確かに、ヨーグルトって乳脂肪が低くてヘルシーなものが多いイメージでした。
クオッカ店長
向井
最近のトレンドとして、ヨーグルトはどんどん濃くなっている傾向があります。濃いと言ってもいろいろあり、「オイコス」(ダノンジャパン)のように健康志向でタンパク質が多く含まれている“濃さ”もあれば、濃厚な味わいを目指して乳脂肪をリッチにした“濃さ”もあります。

「明治ブルガリアヨーグルトあじわい芳醇 オレンジコンフィチュール」は後者で、デザートとして濃厚な味わいを目指しています。ヨーグルトに乳脂肪分をリッチに使う動きはあまり業界全体としてなかったので、逆張りが流行っているのがおもしろいなと思います。
これまでは低脂肪が主流だったということですか?
クオッカ店長
向井
そうですね。これは裏話なのですが、牛乳から脂肪を除いた脱脂粉乳を消費しなければいけないという乳業全体の課題によるものなんです。

牛乳からバターを作ると、バターの乳脂肪分が取れた後のミルクが残りますよね。それを粉末にしたのが脱脂粉乳なんですけど、脱脂粉乳ってあんまり使い道がなくて。
バターやチーズを作ったあとの牛乳のゆくえって気にしたことがなかったな……。
クオッカ店長
向井
脂肪ゼロや低脂肪のヨーグルトが多かったのは、そうした脱脂粉乳を原料としたものが多かったというのも理由にあります。そうしたヨーグルトに「健康を支える」といった付加価値をつけて販売するという乳業全体として非常にいい流れもできていました。

そんな時代を経て、ヨーグルトは今、健康や機能性だけでなく、牛乳の濃さを楽しむ商品などが注目を浴び、多様化しています。マニアとして、感慨深さも感じますね。

ほかにも、たくさんのヨーグルトを持ってきてくれた向井さん。詩的な商品名が特徴的な「冬の入道雲」(古谷乳業)は、内蓋に物語のあらすじが。「世界観に没入してから“ページ(フタ)をめくる”。そして、ヨーグルトを味わう……新しいアプローチだなって思います!」

「同じ商品でも地域ごとに味が違う?」 ヨーグルトの気になる豆知識

ヨーグルトってこんなに奥が深いんだ……。向井さんは1日1kgヨーグルトを食べているそうですね。
クオッカ店長
向井
商品レビュー用と普段の食事とで、1日5回食べているので、そのくらいになりますね。

最近はヨーグルトそのものに加えて、レシピ開発のため海外のヨーグルト料理を提供するお店や料理教室に通い詰めて、チーズや牛乳を使った料理をたくさん食べています。

商品レビューの際は同じ商品をコンディションが違う日に複数回食べて、フラットなレビューをめざしているとか!

それだけヨーグルトを食べていたら、体調もすごくいいんじゃないですか?
クオッカ店長
向井
「腸内環境めっちゃいいんでしょ?」とはよく言われるんですが、テレビの企画で調べてもらったら、意外と普通で。それは、食物繊維など腸内の菌の栄養が足りていなかったためです。だからヨーグルトを食べたうえで、よりいっそうバランスの良い食事に気をつけていますね。
ヨーグルトだけ食べてればいいってわけじゃないんですね…!

初心者でも「これを知っておくとヨーグルト通」という豆知識があれば知りたいです。
クオッカ店長
向井
たとえば、コンビニやスーパーのプライベートブランド商品が地域によって味が違うということでしょうか。地域によって製造会社が違うため、成分としては同じでも東日本と西日本では使っている菌の違いなどで風味が変わっておもしろいです。私は旅行に行くと現地のコンビニやスーパーは必ずチェックします。また、地域に根ざした中小乳業メーカーや6次産業(※)化した牧場が製造する「ご当地ヨーグルト」を見つけるのも旅の醍醐味です。

※6次産業:生産(1次産業)者が、製造・加工(2次産業)や、流通・販売・サービス(3次産業)に取り組む経営形態のこと

岡山県の「蒜山ジャージーヨーグルト」(蒜山酪農農業協同組合)。おでこにハートマークがある実在のウシ「ラブリーちゃん」がフタに描かれているとレアなのだそう

まったく気にしたことがなかったです。ぼくも旅先でチェックしてみます!
クオッカ店長
向井
あとは「生乳(せいにゅう)」という言葉がいろんなヨーグルトに書かれているわりに、あまりどういう意味か浸透していないなと感じます。
「生乳」って牛乳とは違うんですか?
クオッカ店長
向井
「生乳」はウシから搾った状態のものを指します。牛乳は「生乳」を加熱殺菌して製品化したものなんです。 「生乳」は加工されていない農産物なので、味にも違いがあります。乳業メーカーごとの加熱殺菌の方法によっても味が違いますし、乳牛のコンディションによっても味が変わるんです。夏はさっぱりした風味、冬は濃厚な風味というように季節感も味わえますし、加工方法によってメーカーの個性が出てくるので奥深いです。「生乳」と書かれたヨーグルトを見つけたらぜひチェックしてみてください!

ヨーグルトの魅力と、酪農や乳業のすごさを日本中に伝えていく

ヨーグルトのいろんな楽しみ方を教えてくれてありがとうございます! 最後に、向井さんの今後の野望を教えてください!
クオッカ店長
向井
ヨーグルトの魅力を伝えるだけでなく、酪農や乳業のすごさを日本中に広くアピールしていければと考えています。

2021年までは全国のご当地ヨーグルトと生産者が大集合する「ヨーグルトサミット」が開催されていたのですが、現在は途絶えてしまっています。現在は法人を立ち上げて復活させるべく奮闘している最中です。サミットを通じてヨーグルトの魅力を広く世の中に伝えることができれば消費ももっと増えますし、酪農家や乳業メーカーも横の連携が強まって産業も元気になるはずです。そのために、よりいっそう活動の幅を広げていければと思います。
ぼくも椅子の魅力をもっともっと伝えていきたいので元気をもらいました。向井さん、ありがとうございました!
クオッカ店長
クオッカ店長はここが気になる!

ワークスペースは設けず、ダイニングでの作業が多いという向井さん。好きな椅子は「座椅子です!」とのことでした。座椅子のワークチェアがあってもおもしろいかも……? レビュー写真は毎朝、日の傾きが同じ時間帯を狙って撮影しているこだわりっぷり! 僕も椅子の良さが一番伝わる魅せ方を見つけていきたいな!

CREDIT

取材・執筆:神田匠 写真:栃久保誠 イラスト:キタハラケンタ 編集:モリヤワオン(ノオト)

ブランド名

商品名が入ります商品名が入ります

★★★★☆

¥0,000

PROFILE

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

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