親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。
こんにちは! OKAMURA Lifestyle Storeのクオッカ店長です。
普段から椅子のことばかり考えていたら、すっかり椅子マニアになってしまったぼく。でも、世界には椅子だけでなく、いろいろな形で好きなものに愛を注ぐマニアがいるみたい……! そこでこの連載では、椅子マニアのぼくがワークスペースを飛び出して、あらゆるマニアに「好きなものを愛でる楽しさ」を聞いていきます!
連載2回目にお話を伺ったのは、ヨーグルトを偏愛している向井智香さんです。向井さんは2011年からSNSでヨーグルトのレビューを発信し、その点数は現在、約3400種類! 月に食べたヨーグルトの金額が家賃を超えたこともあったそうです。
現在でも1日に約1kgのヨーグルトを食べる生活を続けているのだとか。また、酪農関係のイベント出演や商品開発サポートなど、ヨーグルトについて多岐にわたって活躍されています。なぜハマったのか、どういうところが好きなのか、ヨーグルト愛にあふれたお話をたっぷり聞きました!
向井智香
ヨーグルトマニア/一般社団法人ヨグネット 代表理事
日本全国のヨーグルトを食べ歩き・お取り寄せしながらブログを運営し、約3400種類の商品レビューを掲載(2026年1月現在)。メディア出演、商品開発サポートやレシピ開発、イベント企画、講演会などを行うほか、ご当地ヨーグルトの認知拡大、特に「乳」の魅力発信に力を注ぐ。著書に『ヨーグルトの本』(エムディーエヌコーポレーション)。

クオッカ店長
クオッカ村出身の、クオッカワラビーの男の子。生粋の椅子マニアでOKAMURA Lifestyle Storeの店長を務めている。ほかのマニアがどんなことに夢中になっているのか、興味津々!
「パルテノ」様との出会いが人生を変えた







「ギリシャヨーグルト パルテノ」(森永乳業)。写真は、向井さんがパルテノ様のお誕生日(9月1日)をお祝いするために撮影したもの
そしたら……おいしすぎて本当にびっくりしちゃって! 「どうしてこんなに濃厚になるんだろう」「ヨーグルトとクリームチーズの境目ってどこなんだろう」とかヨーグルトに関するギモンが次々に出てきて、ヨーグルトの奥深さに魅了されました。


「全国展開前には関西から夜行バスに乗って東京に『パルテノ』様を食べに行ったこともありました」と向井さん。熱量……!
レビューは現在3400種類を越えました。今は食べるだけでなく、全国の牧場や工場を訪れて酪農や乳業について学んでいます。


ヨーグルトマニアになってから酪農・乳業の現場を見学させてもらうようになって、ヨーグルトを作る大変さが身に沁みてわかるようになりました。作り手が理想の味を目指して何度も試行錯誤しているのを見ると、「ヨーグルトって人の思いが詰まったものなんだな」と愛しくなります。

ヨーグルトにもトレンドがある! 「スイーツ系」「クラフト系」「リッチ系」に注目




「ダノン 大人の賢いスイーツヨーグルト ショコラフォンデュ」(ダノンジャパン)
これはいわゆる「スイーツ系」ヨーグルトですね。ヨーグルトの下にショコラフォンデュソースが敷かれた二層仕立てで、ヨーグルトとチョコレートソースのマリアージュがたまりません。100キロカロリーというヘルシーさもうれしいポイントです。


カロリーも低いし、がんばったご褒美のおやつとして罪悪感なく楽しめるというのもポイントです。ダノンは「ダノン ビオ」のような腸活をアピールした商品を多く展開しているのですが、この「スイーツ系」ヨーグルトがダノンから発売されたのもユニークだなと思います。


「神グルト」(神楽坂乳業)。写真は非売品のミニサイズ

牛乳をベースに、オリゴ糖や難消化性デキストリン、乳糖などを配合し、5種類の乳酸菌に糖化菌を加えるなど通常だと絶対に入れないような菌を使っているのが特徴です。「こんなことしていいんだ!」と驚きました。

乳業関係者以外からこんな尖ったヨーグルトが出てくるとはと、マニアとして衝撃を受けた商品でしたね。


「明治ブルガリアヨーグルトあじわい芳醇 オレンジコンフィチュール 110g」(明治)

明治は今まで脂肪ゼロなど低脂肪の製品は多く展開していたんですが、こうした乳脂肪分が高い商品はほとんど出していませんでした。その意外性もポイントです。

「明治ブルガリアヨーグルトあじわい芳醇 オレンジコンフィチュール」は後者で、デザートとして濃厚な味わいを目指しています。ヨーグルトに乳脂肪分をリッチに使う動きはあまり業界全体としてなかったので、逆張りが流行っているのがおもしろいなと思います。

牛乳からバターを作ると、バターの乳脂肪分が取れた後のミルクが残りますよね。それを粉末にしたのが脱脂粉乳なんですけど、脱脂粉乳ってあんまり使い道がなくて。

そんな時代を経て、ヨーグルトは今、健康や機能性だけでなく、牛乳の濃さを楽しむ商品などが注目を浴び、多様化しています。マニアとして、感慨深さも感じますね。


ほかにも、たくさんのヨーグルトを持ってきてくれた向井さん。詩的な商品名が特徴的な「冬の入道雲」(古谷乳業)は、内蓋に物語のあらすじが。「世界観に没入してから“ページ(フタ)をめくる”。そして、ヨーグルトを味わう……新しいアプローチだなって思います!」
「同じ商品でも地域ごとに味が違う?」 ヨーグルトの気になる豆知識

最近はヨーグルトそのものに加えて、レシピ開発のため海外のヨーグルト料理を提供するお店や料理教室に通い詰めて、チーズや牛乳を使った料理をたくさん食べています。

商品レビューの際は同じ商品をコンディションが違う日に複数回食べて、フラットなレビューをめざしているとか!

初心者でも「これを知っておくとヨーグルト通」という豆知識があれば知りたいです。

※6次産業:生産(1次産業)者が、製造・加工(2次産業)や、流通・販売・サービス(3次産業)に取り組む経営形態のこと


岡山県の「蒜山ジャージーヨーグルト」(蒜山酪農農業協同組合)。おでこにハートマークがある実在のウシ「ラブリーちゃん」がフタに描かれているとレアなのだそう


ヨーグルトの魅力と、酪農や乳業のすごさを日本中に伝えていく


2021年までは全国のご当地ヨーグルトと生産者が大集合する「ヨーグルトサミット」が開催されていたのですが、現在は途絶えてしまっています。現在は法人を立ち上げて復活させるべく奮闘している最中です。サミットを通じてヨーグルトの魅力を広く世の中に伝えることができれば消費ももっと増えますし、酪農家や乳業メーカーも横の連携が強まって産業も元気になるはずです。そのために、よりいっそう活動の幅を広げていければと思います。


ワークスペースは設けず、ダイニングでの作業が多いという向井さん。好きな椅子は「座椅子です!」とのことでした。座椅子のワークチェアがあってもおもしろいかも……? レビュー写真は毎朝、日の傾きが同じ時間帯を狙って撮影しているこだわりっぷり! 僕も椅子の良さが一番伝わる魅せ方を見つけていきたいな!
取材・執筆:神田匠 写真:栃久保誠 イラスト:キタハラケンタ 編集:モリヤワオン(ノオト)
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