自分にとっての“快適さ”の最適解を知る。ご機嫌と生産性を保つ、澤円さんのワークスペース
ワークスペースの美学

自分にとっての“快適さ”の最適解を知る。ご機嫌と生産性を保つ、澤円さんのワークスペース

#アイデア・工夫 #キャリア #ライフスタイル #仕事・働き方
Contessa Ⅱ(コンテッサセコンダ) Finora(フィノラ)

仕事や趣味などに気兼ねなく取り組むことができるその人だけの空間、ワークスペース。その人の考え方や行動様式が、色濃く反映される場所でもあります。「ワークスペースの美学」は、自分自身の心地よいライフスタイルを実践している方にご登場いただき、そこに至った経緯や魅力、結果として得られたものなどについて伺うインタビュー連載です。


26回目のゲストは、日本マイクロソフト業務執行役員として活躍したのち、現在は株式会社圓窓代表取締役を務める澤円さんです。


企業顧問やアドバイザー、大学教員、講演活動など、多岐にわたる仕事を手がけている澤さん。年に250回を超える登壇をこなす「伝えるプロ」であり、「複業」のロールモデルとしても多くのビジネスパーソンに影響を与えています。


世田谷の自宅や事務所、千葉・九十九里の別邸、そして軽井沢と、3エリアにまたがる拠点を行き来しながら働く「多拠点生活者」でもあります。


今回訪ねたのは、「もっとも多くの価値を生み出す場所」と語る世田谷の事務所。ご自身曰く「気が散る性質」であることを前提に設計した空間には、自分の生産性とご機嫌を保つための工夫が詰まっていました。

ワークスペースとは「気が散っていても生み出せる場所」

澤さんは、都内に拠点を置きながらも、3エリアを行き来しながら働かれているそうですね。

ええ。地域でいうと、東京の世田谷、千葉の山武市、そして軽井沢の3エリアです。自宅の他に仕事のための事務所やかみさん(造形作家の澤奈緒さん)のアトリエ、ゲスト用の部屋など、あちこちの拠点を行き来しながら暮らしています。


不動産屋さんと仲が良いので、いい物件が出るとすぐに「澤さん、これはどうですか?」と声がかかるんですよ。「じゃあとりあえず借りてから使い方を考えようかな」を続けていたら、気づけばどんどん増えていました(笑)。

株式会社圓窓 代表取締役・澤円さん

―この世田谷の事務所はどんな役割を担っているのでしょう。

僕にとっては、いちばん価値を生み出している場所ですね。ここを借りたのは2019年。当時はまだ会社員でしたが、副業が充実してきたので「落ち着いて作業できる拠点がほしい」と思ったんです。


入居して約1年後に廊下を挟んだ隣室も空いたので、まとめて2部屋を借りることに。片方は配信環境を整えたスペース、今いる部屋は執筆に集中したり、来客を迎えたりするためのスペースとして使い分けています。

事務所の角に設けられたワークスペース

多岐にわたるお仕事のなかで、どのように集中力を保たれているのでしょう。

僕、すごく気が散りやすいんですよ。だからこそ、ワークスペース作りでは「気が散っていても生み出せる環境」を目指しました。


そのために重視したのは「自分しかいない」状態を保つこと。誰かがいると会話が生まれて、どうしても自分の作業時間が削られます。でも一人なら、気が散ってもすぐに戻れる。僕の場合、一人の時間をつくることがそのまま生産性に直結しているんです。


生産性を生み出すための自己分析は怠りません。たとえば、自分のトップスピードとアベレージスピードを把握しておくこと。急いでやればこれくらい、普段なら平均的にこれくらい、とわかっていれば、「今日はここで2時間取れるから、この仕事ができるな」と割り当てができる。結果的に焦らずに済みます。


あと、苦手なことは徹底的に他の人に任せるようにしています。僕はスケジュール管理が大の苦手で、かつ仕事の内容も多様なので、そこはオンライン秘書にすべて外注しています。

デザインで選んだワークチェア「フィノラ」

部屋の一角につくられたワークスペースの椅子は、オカムラの「フィノラ」ですね。選んだ決め手は?

オカムラのワークチェア「フィノラ」。滑らかな流線形のフォルムが特徴

オカムラには知人がいたご縁もあって、事務所をつくるときに「ぜひ空間設計をオーダーしないか」と声をかけてもらったんです。


椅子は、実はその前にコンテッサ セコンダを手に入れていたんですよ。でも、僕よりも気に入った妻に取られてしまって(笑)。それで新しく選ぶことになったときに、勧めてもらったのがフィノラでした。


見た瞬間に、スタイリッシュなデザインに惹きつけられました。コンテッサは無骨さがあって、その分だけ安定感もあるのですが、フィノラはスポーツカーを思わせる滑らかな流線形が魅力ですよね。一目で気に入って即決しました。

まずはデザインを重視された?

もちろんです。僕は仕事のパフォーマンスって、結局は「自分がご機嫌かどうか」で大きく決まると思っていますから。ご機嫌でいることは、もはやそれ自体が仕事であると言ってもいい。


しかも「不機嫌」って、すごく空間における感染力が高いんですよ。機嫌は感情ですから、そこに他者がいれば良くも悪くも周囲に伝わる。とりわけ不機嫌は伝染しやすくて、あるフロアに不機嫌な人が一人いるだけで、周りにも広がって生産性まで下げてしまう。心理学や組織行動論でもよく言われることです。


だからこそ、自分がご機嫌でいられる、気に入ったデザインのものを選ぶことには、ちゃんと意味があるんです。

座り心地はいかがですか。

座り心地はもちろんいいですよ。操作性の快適さもコンテッサと変わりません。さすが、いいお値段がするだけのことはあるな、と(笑)。座面の素材はクッションとメッシュから選べるのですが、メッシュにしました。手入れがしやすいですし、夏でも蒸れずに快適なので。


フィノラと合わせて使っているデスクもオカムラで、上下昇降デスク「スイフト」です。スタンディング用のデスクは既製品にないコンパクトなサイズが欲しかったのでオーダーメイドでお願いしました。

家具選びに、明確な基準をお持ちですね。

マイクロソフト時代に、オフィスのコンセプトを説明する「オフィスツアー」のガイドをしていたんです。皆さんにきちんと伝えられるよう、オフィスの椅子や机はどんな意図で選ばれているのかを、まずは自分がプロからじっくり教わったことが独立後にも役立ちました。長年にわたって毎日使うものですから、仕事の道具はやっぱりいいものを選ばなくちゃ、というのが僕の持論です。

平面を増やすほど、頭は軽くなる

―デスクの上にはノートPC以外、まったく物が置かれていませんね。

事務所ではデスクの上にも、床にも、なるべく物を置かないようにしています。視界に余計なものが入ってくると、それだけで目がそちらに向いて、脳のリソースを取られてしまう。散らかった部屋って僕にとっては最大のノイズなんですよ。オンラインミーティングも同じで、相手側の背景がごちゃごちゃしていると気が散りますよね? だから、作業中はとにかく「平面」がたくさん見える状態を維持しています。

物を極力置かないデスク。広い平面が視界の余白をつくる

デスクの隣には休憩用のハンモックを設置していますが、こちらもベッドを置いたときほどの圧迫感がないから空間の「抜け感」を保てるところが気に入っています。

デスクの横に設置しているハンモック

スッキリした状態を保つための道具として、オカムラの「ライブス パネル」も活用しています。目隠し用のパーティションとしてはもちろん、周囲からの音も適度に遮断して緩やかに仕切ってくれるので、Voicy配信のときも重宝しています。

オカムラ ライブス パネル。部屋の仕切りや遮音のために使用している

一方で、配信用に特化した隣室のワークスペースでは、ノートPCに加えてデスクトップPC用のモニターを3つ置くことで、快適に配信できる状態にしています。一つのディスプレイの中で作業ウィンドウを切り替えるのって、地味にひと手間ですよね。常に一覧できる状態にしておけば、視線を動かすだけで仕事が切り替えられる。そこに「操作がない」ということが重要なんです。ほんの小さなことですが、毎日のことなので積み重ねが効いてきますよ。

配信用に特化したワークスペース。執筆などに特化した部屋と同じビルにあり、廊下を挟んで向かいにある

空を見て、香りを選ぶ。五感を快適にする工夫

作業用デスクの位置を、窓際にしたのはなぜでしょう。

そうですね。ビールを飲みながら仕事することも多いので、栓抜きやコースター、お茶を飲むためのデスク用マグカップヒーターもすぐそこにありますし(笑)、「ここから立ち上がらないで済む」というのは意識しているかもしれないです。

都市部のオフィスで働いていると、なかなか空を見る余裕がないかもしれません。

でもね、意識して探すと意外とちゃんとあるんですよ。そもそもオフィスの部屋って、たいてい窓はありますよね。だからあとは、顔を上げるだけ。道路に面していても、目の前に建物があっても、空は見えます。要は、「空を見よう」という意志が大事ですね。

確かに普段からちょっと意識すれば、空を見る時間はつくれそうです。他にも視覚以外で、ワークスペースにおいて大切にされている感覚はありますか。

五感全体が快適であること、ですね。嗅覚でいえば、このルームスプレー。柑橘やゼラニウムなどをブレンドした香りで、頭をシャキッとさせてくれます。

アヴェダのチャクラ バランシング ミスト 6

触覚は、手に取って触れるものが心地よいかどうか。もちろん仕事道具もそのひとつです。聴覚は、この事務所は駅に近いこともあって電車の音がやや気になるのですが、イヤホンで静寂を保つことでカバーしています。そうやって、五感のそれぞれを普段から意識的に快適に整えています。

人間はロボットではないから「ご機嫌」をつくろう

―ワークスペースの設計において、「五感を整える」という発想に行き着いたのはなぜでしょう。

デザインとアートの違いって、ご存じですか。アートは、内側から湧き上がるものを抑えきれずに表現したもの。一方でデザインは、必ず「誰かのため」にある。その先に、顧客がいる。ここが、両者の決定的な違いだと思うんです。


だからこそ、僕のワークスペースは、僕自身が、僕のためにデザインする。「顧客」である僕が、ご機嫌に、快適に働ける状態をつくる。それがこの場所の目的ですから。


生産性を上げるというのは、人をロボットのように扱うことではありません。その人が気持ちよく働ける状態をつくることです。僕はそれを、自分のためにやっているだけなんですよ。

配信用の部屋には、ワークスペースの背後に本棚や音楽のためのスペースが。

集中が切れたタイミングで楽器を触っているそう

最後に、これからワークスペースを整えたい人へアドバイスをいただけますか。

まずは、自分にとって何が快適かを知ることです。僕の場合は「一人でいること」でした。そこさえ押さえれば、椅子も、デスクも、香りも、窓の外の景色も、すべてを自分の基準で選べるようになります。誰かの正解ではなく、自分の「ご機嫌」を起点にする。それがいちばんだと思います。

Finora
[フィノラ]
Contessa Ⅱ
[コンテッサセコンダ]
PROFILE

澤円 

株式会社圓窓 代表取締役

1969年、千葉県生まれ。立教大学経済学部卒業後、生命保険会社のIT子会社を経て1997年に日本マイクロソフトへ入社。ITコンサルタントやプリセールスエンジニアを経て、2006年にマネジメントへ転換。マイクロソフトテクノロジーセンター センター長、業務執行役員などを歴任し、2020年8月に退社。2019年に株式会社圓窓を設立し、代表取締役に就任。現在は企業顧問やアドバイザー、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 専任教員などを務めるほか、講演・執筆活動を幅広く行う。

CREDIT

取材・執筆:阿部花恵 写真:篠原豪太 編集:桒田萌(ノオト)

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ブランド名

商品名が入ります商品名が入ります

★★★★☆

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PROFILE

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

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