百福・田辺玲子さんに学ぶうつわ選び。美しく生きる秘訣は「自分の声を聞くこと」
となりの偏愛LIFE

百福・田辺玲子さんに学ぶうつわ選び。美しく生きる秘訣は「自分の声を聞くこと」

#アイデア・工夫 #カルチャー #ライフスタイル #仕事・働き方 #健康的なくらし #趣味・遊び

インターネットやSNSが普及した現代。便利になった面も多い一方で、さまざまな人の意見を目にする機会も増え、何をするにも他人の声を気にしてしまった経験はありませんか? でも本来、必要なものや大切なものは、一人ひとり違うはず。幸せのかたちにも、定められた正解はないのではないでしょうか。


では、自分の「幸せのかたち」を知るにはどうすればいいのか。日々を生き生きと過ごしている人=さまざまな「好き」を探求している人にお話をうかがえば、暮らしをちょっと楽しくするヒントを感じ取ることができるのではないか。そんな想いから、連載企画・その名も「となりの偏愛LIFE」を始めることにしました。


第1回目のゲストは、東京・南青山にあるうつわの店「百福(ももふく)」の店主、田辺玲子さん。田辺さんが愛してやまない、うつわとの出会いや暮らしへの取り入れ方、そしてちょっと変わった、うつわの楽しみ方についてうかがいました。

幼い頃から変わらないうつわへの愛。内装設計の仕事を経て独立

―田辺さんは現在うつわの店「百福」を経営されていますが、いつからうつわに深い愛情を抱くようになったのでしょうか?

田辺

物心ついたときからうつわが好きでした。母がうつわ好きだったこともあり、小さい頃から自分で食べる食器は自分で選ばせてもらったり、外食しに行ったときにすごく音がいいグラスに出会うと「これが欲しい」とお願いしたりしていましたね。

「百福」店主・田辺玲子さん
田辺

とはいえ、最初に好きになったのはいま百福で取り扱っているような作家ものではなく、スーパーで売っている普通のうつわでしたけどね。大きくなるにつれ、自分のお小遣いやバイト代で、好きなデザインのうつわを買い集めるようになりました。その頃から、自分の家に友達を呼んでもてなしたりして、好きなうつわを共有しようとしていました。たぶん友達には、自分が思う良さは伝わっていなかったでしょうけれど(笑)。

―工芸作家もののうつわには、大人になってから興味を持つようになったのですね。

田辺

そうですね。もともと私は建築の会社で内装設計の仕事をしていました。そこでインテリアの提案もしていたのですが、テーブルウェアの一環として作家もののうつわにも興味を持つようになっていって。


知っていくうちに、たとえば作家がどういう想いで、何が好きでうつわづくりを始めたのか、どういう想いでものづくりをしているのか、そしてこれから何をつくっていきたいのかなど、作品の背景によって、でき上がるものの面白さも変わると気づいて、どんどん惹かれていきました。そして「良いものをたくさんの人に知ってもらいたい」という思いが高まり、意を決してうつわ屋を始めたんです。最初は内装設計の仕事をしながら二足のわらじで活動していましたが、数年後にはうつわ屋として独立することにしました。

東京・南青山にあるうつわの店「百福」。2004年に田辺さんの自宅玄関で始めた店は、2008年に原町田、2021年に青山へ移転した

良いうつわとの出会いは「超幸せ」。心が動くうつわを素直に選ぶ

―百福では主に田辺さんが見つけてきた工芸作家さんの作品を取り扱っているそうですが、どのような視点でうつわを選んでいますか?

田辺

流行っているかどうかや売れるかどうかよりも、まずは自分が好きだと思うもの、心が動くものを少しずつ集めています。感覚的には洋服選びと似ていますが、うつわの場合は洋服と違って、何年、何十年と残っていきます。


あとになって集めたうつわたちを俯瞰して見ると、自分がそのときどういう状態だったのかや、変わらずに好きなものの傾向がわかってきて、面白いんです。自分が知らなかった自分を知ることができるというか。自分のかけらを集めるようにうつわをコレクションすることで、自然と感性も磨かれていくと思います。

ガラス製品は「音が大事」だという田辺さん。面が多いグラスは、氷を入れると当たる場所が多いので素敵な音がするそう

―私はうつわを選ぶとき、つい実用性を重視して選んでしまい、面白みがなくなってしまいます……。

田辺

まずは一度、自分が手にしたことないものを、使い道を決めずに買ってみるといいと思います。初めは、家にあるほかの食器とは雰囲気が合わないわけですよ。だけどそこから「なぜ違和感があるのだろう」「このうつわを選んだ自分は、これまでの自分とどこが違うんだろう」とじっくり考えてみると、次からは「何が自分をワクワクさせたり、心地よくさせたりしてくれるのか」という視点でうつわを選べるようになり、面白くなってくると思います。

―ちなみに田辺さんが良いうつわに出会えたときは、どんな気持ちになりますか?

田辺

「こんなものがつくれるなんて、すごい。もう天才!」と興奮しますね。うつわを見れば見るほど気持ちが膨らんで「超幸せ!」と思います(笑)。


一人のうつわ作家を追ってみるのも、変化が感じられて面白いんですよ。うつわを選んで、使って、飾って、知って、追いかけていくことで、さまざまな良さが見えてきます。

うつわを知ることは自分を知ること

―幼い頃からうつわがお好きだった田辺さんですが、大人になって、ますますうつわに没頭していった結果、ご自身にどのような変化が起こりましたか?

田辺

自分の雑さがすごくわかるようになりましたね。すごく丁寧な人って、うつわを割らないんですよ。私は丁寧に扱っているつもりでも、うつわをぶつけてしまったり、どうしても手が滑ってしまったりするんです。そこで初めて、自分はこんなにうっかり者だったのかと驚きました(苦笑)。


一方で割らないことに縛られすぎると、窮屈な気持ちになりますし、うつわを心から楽しめなくなってしまう。だからこそ、割ってしまったうつわは本当に思い入れがあるものだけ金継ぎで直して、「うつわは割れるものだから仕方ない」と、執着しすぎないようになりました。こうして自分を知りながら、身の丈にあう生き方が身についていったと思います。

―読者の方におすすめしたいうつわの楽しみ方はありますか?

田辺

お茶碗で「ごはんの味比べ」をしてみてほしいですね。同じごはんでも、水分を吸う土物の茶碗だとごはんの粒がしっかり感じられたり、磁器の茶碗だと暑い時期でも食が進むような爽やかさがあったりと、違いがあるんです。感覚は人それぞれなので、まずは味比べをしてみて、自分の好みに合わせたうつわを選んでみると、食事がもっと楽しくなると思います。


ほかにも、普段はおかずを入れていたうつわにアイスを乗せてみたり、意外な組み合わせを楽しんだり、じっと目で見て楽しむのもおすすめです。私も新しく買ってきたお気に入りのうつわはすぐに使わずに、1週間ぐらい部屋に置いて眺めることがあります。その日使ったお碗が気に入ったら、しばらく見えるところに置いて楽しむのも良いですね。

―まさにうつわに対する偏愛ですね! 最後に、好きなことを極めることでどんな変化が起こると思うか、田辺さんのお考えを教えていただけますか。

田辺

「今日はこのスイーツが食べたい」と思って、素直にそのスイーツを買って食べると、満足感がありますよね。そんなふうに自分が好きなことを肯定してあげると、その積み重ねが、楽しく生きる秘訣になると思います。小さなことでもいいので、みなさんも、自分の声を聞くことを習慣にしてみてほしいです。

CREDIT
ライター:宇治田エリ 撮影:大畑陽子 編集:井戸沼紀美(CINRA. Inc,)

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★★★★☆

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PROFILE

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

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