【前編】タスクシーティングってなに?認定人間工学専門家が解説する「椅子選びのトリセツ」
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【前編】タスクシーティングってなに?認定人間工学専門家が解説する「椅子選びのトリセツ」

#健康的なくらし #在宅ワーク

在宅勤務で心地よく仕事を続けるためには、作業環境を整えることが何よりも大事。頭ではわかっていても、星の数ほどある商品から自分にぴったりなチェアを選ぶのは難しい……。


そんな悩みに応えるべく、OKAMURA Lifestyle Storeでは連載企画「椅子選びのトリセツ」をスタート。認定人間工学専門家としてさまざまなチェアの開発に携わる株式会社オカムラの浅田晴之さんを講師に迎え、オカムラが誇る「タスクシーティング(タスクチェア)」の基礎知識から、詳細なチェアの選び方まで全3回にわたり学んでいきます。


初回のテーマは「タスクシーティングって何?」。よく耳にする「オフィスチェア」との違いや気になる性能と価格の関係など、素朴な疑問に答えていただきました。

解説は認定人間工学専門家の浅田晴之さん。オカムラでは、ワークプレイスの構築に関わる運用・評価に関する調査研究業務や、人間工学的な視点に立った製品の研究開発を手がけている

そもそも、「タスクシーティング」ってどんな椅子?

さっそくですが、「オフィスチェア」と「タスクシーティング(タスクチェア)」にはどんな違いがあるのでしょうか。両方とも、仕事用の椅子というイメージがあります。

浅田

じつは、あまり大きな違いはないんです。ですが、あえてオカムラでは「タスクシーティング」という言葉を使っています。オフィスチェアって、そのまま訳すと「事務所の椅子」じゃないですか。でも、オフィスには社長さんが座るようなものやミーティング用のものもあれば、ゆったりと腰かけられるラウンジチェアなどいろんな種類の椅子が置かれていますよね。そういう曖昧さを回避する意味で、より明確に仕事の作業に適するようにつくられたものを「タスクシーティング」と呼んでいるんです。

なるほど。では、現代の「タスクシーティング」とされる椅子は、いつ頃生まれたのでしょうか?

浅田

おそらく、いまから40年ほど前のことです。筆記中心の作業からPCを使った作業スタイルへと転換していくなかで、仕事をするときの椅子にも大きな変化が生まれました。

どのような変化があったのでしょうか?

浅田

まずは脚の数です。昔は「事務用回転椅子」と呼ばれていた4本脚のグレーの椅子が、オフィスチェアのスタンダードとされていました。よく交番や学校の職員室にあったものですね。しかし、PCの登場によってデスクに座ったままの作業が多くなり、結果的に5本脚の椅子も増えていきました。


では、なぜ脚の数を増やす必要があったのか。その答えは、脚が増えるとそのぶん安定感が増して椅子が転倒しにくくなるためです。長時間作業の最中、疲れたと思って伸びの姿勢を取ることがありますよね。そのとき、脚の数が少なかったり小さかったりすると、体重がうしろに偏って椅子が倒れやすくなってしまうので、安全性を高めるためにも椅子の脚が増え、背もたれがリクライニングできるようになっていきました。

仕事用とプライベート用。やっぱり椅子は分けるべき?

—「ダイニングチェア」など自宅用の椅子との違いも、脚の部分に現れるのでしょうか。

浅田

脚というよりも、座面が回転するかどうかに違いがあります。ダイニングチェアは木製で背座一体型の製品が多いですが、タスクシーティングは座面に回転機能がついているのが基本です。たとえば、会議室でひとつのモニターに皆が注目する場合、回転椅子だと身体ごと画面に向けて動かすことができますが、回転機能がない椅子では首や上半身だけを捻ることになります。


人間工学的には、身体が左右対称になるのが一番健康にいいとされ、首や上半身だけひねる姿勢をとりつづけるのは避けるべきだとされています。身体と椅子の動きを一致させ、なるべく自然で楽な状態になるようにサポートする意味で、回転は非常に大事な機能のひとつだと言えます。

ダイニングチェアに座って在宅ワークをしている人も多いかと思うのですが、やはり仕事用とプライベートでは椅子を分けた方がいいのでしょうか。

浅田

自宅で仕事をする時間が長いなら、ぜひタスクシーティングを検討してほしいです。在宅勤務でもオフィスと同等の環境を用意するように、と厚生労働省のガイドラインでも定められています。逆に言えば、タスクシーティングはいろんな「タスク(作業)」に対応できるようにつくられているので、ダイニングチェア代わりに食事をしてもいいと思いますよ。座ったまま、うしろの食器棚からコップをとることもできるでしょう。

タスクシーティングに備えられた機能の数々。なぜ仕事に役立つの?

それでは、今日はオカムラがこれまでつくってきたタスクシーティングについておうかがいしたいのですが、回転機能以外にも、タスクシーティングで重視されている機能はありますか?

浅田

「身体が動くときに椅子も一緒に動く」という部分では、背中を支えるリクライニング機能も大切ですね。タスクシーティングは、長時間座りっぱなしで作業をしても身体への負担が少なくなるようにつくられています。つまり、作業中だけじゃなく休息時の身体の動きまで考慮されているんです。


タスクシーティングには、肩甲骨よりも上まで背もたれがある「ハイバック」というタイプが多いのですが、それも休息時に身体を支えるためのものです。うしろに寄りかかったとき、背もたれが低いと頭だけうしろに落ちてしまいますよね。それを避けるため、私たちは無意識のうちに首に力を入れて支えているんです。成人の頭の重さは約4〜6kg。それを支えるとなると、かなりの負担が首にかかってきてしまいます。

普段なかなか意識することのない「身体の重さ」をいかに逃すかも大事なんですね。

浅田

肘掛けも同じような理由で必要です。個人差がありますが、片腕だけでペットボトル約3本分の重さがあると言われています。それに、立ち上がるときや座りながらお尻を浮かせて姿勢を変えたいときなんかにも肘掛けがあると便利ですよね。できるだけ身体の負担を軽減させながら作業ができるように、考え尽くされているのがタスクシーティングなんですよ。

価格が高くて手が出しづらい……。5万円以下の椅子との違いは?

―タスクシーティングは高価格帯のものが多い印象です。そもそもなぜ高価になりがちなのでしょうか?

浅田

タスクシーティングは長時間作業をしても疲れにくいように、身体の負担を減らすための工夫がたくさん詰まっています。座面の高さを変えたり、座面を前後させたり、背もたれの角度を調節できたりと、一人ひとりの体格に合わせられるような機能が多ければ多いほど、どうしても材料費が上がってしまうんですよね。


ただ、僕個人の意見としては、長い目で見たらお得だと思います。オカムラの場合、高価格帯となる上位機種のタスクシーティングには最大8年間の長期保証がついています。14万円の椅子でも、8年間使えば1日あたりの金額は約50円。月1500円にも満たないんです。

―たしかに、月々で考えるとかなりお得に感じます。

浅田

それに、オカムラのタスクシーティングはお客さまに組み立てていただくのではなく、工場で専用の工具をつかって丁寧に組み立てられています。厳しい耐久テストをクリアしたものだけが商品として手元に届くんです。その安心感が価格に反映されているのだと考えてもらえたら嬉しいです。

―世の中のタスクシーティングのなかには、5万円前後のお手頃価格な商品もたくさんあります。高価格帯の商品とはなにが違うんでしょうか?

浅田

一番はリクライニングの方式ですね。オカムラの上位機種では「アンクルチルトリクライニング(シンクロリクライニング方式)」というものを採用していて、座面と背もたれがシンクロして動くようになっています。これの何がいいかと言うと、リクライニングしてもお尻や背中が接している位置が変わらないんです。つまり、背もたれを倒したときに椅子と身体が同じ動きになる。


一方で、お手頃価格なタスクシーティングは「背ロッキング」というリクライニング方式が主流です。これは背もたれだけが動くというものですが、身体と椅子の動きにズレが生じてしまうためきちんと身体を支えられず、姿勢が崩れやすくなってしまいます。座っているとYシャツが上にあがってきてしまう現象も、このズレによって起こります。


安いからと言って安易に決めず、1脚1脚実際に座り比べて、ディティールにこだわりながら選んでもらったほうが自分にぴったりな椅子を見つけられると思います。そして、お尻や背中のあたり具合を感じながら、できれば5分以上座ってみてください。実際に自宅で使うのであれば、靴を脱いで、作業中と同じような環境にして試すことをおすすめします。

さまざまなリクライニングの方式。右下が、オカムラの上位機種で取り入れられているアンクルチルトリクライニング

―では最後に、オカムラがタスクシーティングに込めた想いがあれば教えてください。

浅田

働く人にとってよい空間を提供するのがオカムラの使命なので、タスクシーティングに座る人が、最大のパフォーマンスを発揮できるように寄り添いたいですね。椅子に座っていること自体を忘れてしまうくらい、仕事に集中してもらえるのが理想です。

PROFILE
川村健一

浅田 晴之(あさだ はるゆき)

ワークデザイン研究所 エグゼクティブリサーチャー

専門はエルゴノミクス(建築人間工学)。ワークプレイスの構築に関わる運用・評価に関する調査研究業務や、人間工学的な視点に立った製品の研究開発に従事。認定人間工学専門家(CPE-J)。著書に『オフィスと人のよい関係』(日経BP)。

CREDIT

ライター:石澤萌(sou) イラスト:森優 編集:服部桃子(CINRA,inc)

ブランド名

商品名が入ります商品名が入ります

★★★★☆

¥0,000

PROFILE

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

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