将棋で考える力を身につける。中村太地八段・武富礼衣女流二段と対局する「オカムラ こども将棋ひろば」

将棋で考える力を身につける。中村太地八段・武富礼衣女流二段と対局する「オカムラ こども将棋ひろば」

#アイデア・工夫 #教育・学び

2026年8月18日(火)、東京・紀尾井町のオカムラ サロン「Chair isn’t(チェアイズント)」で、小学生を対象とした将棋イベント「オカムラ こども将棋ひろば」を開催しました。


ゲストは、中村太地八段と武富礼衣女流二段。トークセッションや質問コーナーに加え、棋士が子どもたちの席を順番に回りながら同時に対局する「ぐるぐる将棋」も行われました。将棋に夢中な子どもたちへ、お二人が伝えた上達のヒントとは? 笑顔と真剣なまなざしに包まれた様子をレポートします。

将棋を好きになったことが、プロへの第一歩

会場に集まったのは、普段から将棋に取り組んでいる18名の小学生と保護者のみなさん。子どもたちが腰掛けるのは、もちろんオカムラのチェアです。司会が座り心地を尋ねると、会場からは元気よく「いいです!」という声が上がり、和やかな雰囲気のなかでイベントがスタートしました。


大きな拍手に迎えられて登場した中村八段は、「将棋界を応援してくださっているオカムラさんが、こうして将棋の場をつくってくださいました。今日はみなさんに会えるのを楽しみにしてきました」と挨拶。武富女流二段も、「棋士から将棋を教わったり、近い距離で対局を見たりできる機会はなかなかありません。何かひとつでも新しい発見や、いい思い出を持ち帰ってもらえたらうれしいです」と語りかけました。

まずはトークセッションから。最初のテーマは、お二人が小学生の頃にどのように将棋と向き合っていたのか。武富女流二段が将棋を始めたのは5歳のとき。佐賀県で育ち、近くに将棋道場がなかったため、3歳上のお兄さんと一日中対局していたそう。小学校高学年になると福岡県の道場へ通い始めました。


「子どもの頃は、本をたくさん読んだり、苦手なことを意識して勉強したりというより、実戦と詰将棋がほとんど。将棋が好きだったから少しずつ伸びて、ここまで来ました。どちらかというと実戦派だったのかもしれません」(武富女流二段)

武富礼衣女流二段

中村八段も、将棋を覚えたのは5歳のとき。当時暮らしていた北海道で、冬に外で遊べないからとお父さんが教えてくれたのがきっかけでした。「勝てばうれしいし、負けたら悔しい。もっと強くなりたいと思うほど、将棋がどんどん面白くなっていきました」と振り返ります。


その後、東京へ引っ越してからは道場へ通い、大会にも数多く参加するように。送り迎えをしてくれた家族について「いま思うと、とてもありがたいこと。みなさんも今日おうちに帰ったら、連れてきてくれた保護者の方に『ありがとう』と伝えてくださいね」と呼びかけました。

中村太地八段

長く考える棋士だからこそ実感する、椅子と姿勢の大切さ

続いて、お二人の普段のお仕事環境についてもトーク。


将棋の公式戦は、畳の上で正座して行うことも多く、長い対局では朝から深夜まで続くこともあります。一方、自宅で研究するときには、パソコンに向かって一日10時間ほど座る日もあるそう。長時間集中するお二人にとって、椅子は仕事を支える大切な存在です。


武富女流二段が愛用しているのは、オカムラの「Baron(バロン)」。数十脚を座り比べ、背もたれや首を支える位置、調節のしやすさを確かめて選んだそう。20代前半に首を痛めた経験から椅子をきちんと選ぼうと考え、替えてからは研究にも集中しやすくなったといいます。

この日のトークセッション中も座っていたバロンについて魅力を語る武富女流二段

中村八段は、約6年前から「Choral(コーラル)」を愛用しています。「どの椅子に座ろうかと考える行為は、体にいちばん近い相棒を選ぶような感覚。いろいろと座り比べ、集中するときもリラックスするときも使いやすいコーラルを選びました。長く座っていてもストレスを感じにくいことは、本当にありがたいです」


チェアの張地や素材を自分好みに選べたことも、お気に入りの理由のひとつ。自分の体に合う椅子は、無理なく好ましい姿勢を保つことにもつながります。中村八段は「いい姿勢だと盤面全体が見やすくなりますが、姿勢が崩れると視野が狭くなり一部分に意識が偏ることもある。個人的な感覚ですが、姿勢を正すと、血の巡りや気分もよくなる気がしますね」と棋士ならではの視点を教えてくれました。

強くなるために大切なのは、毎日コツコツ続けること

続いては、参加者から事前に寄せられた質問にお二人が答える質問コーナー。「子どもの頃、どんなことをして強くなりましたか?」という問いには、そろって詰将棋の大切さを挙げました。司会の辻大地さんが「詰将棋をやっている人?」と会場に尋ねると、9割近い子どもたちの手が上がります。

参加者のなかには、毎朝、勉強や詰将棋、対局に取り組んでいる小学4年生も。「毎日必ずしていることはありますか?」という質問に、中村八段は、「自分でつくった問題集を毎日少しでも必ず解いています」と答えました。武富女流二段は、起床後すぐにオンライン対局を開始。頭が十分に目覚めていなくても、集中のスイッチを入れられるようにトレーニングをするそうです。

一緒に指す友だちがいないときは?

また、「もし小学生に戻れるとしたら、もっとこうすればよかったと思うことはありますか?」という質問に、武富女流二段は迷わず「詰将棋をもっとやりたい」と答えました。「私は終盤が苦手です。序盤と中盤でこつこつ研究して形勢をよくしても、終盤で詰ましきれなかったり、読みを間違えて逆転されたりすると、それまでの努力が最後に無駄になったようで本当に悔しい。その力を鍛えるために、もっと詰将棋に取り組んでおけばよかったと思います」


「学校に将棋を指せる友だちがほとんどいません。どうやって対戦相手を探したらいいですか?」という、切実な質問もありました。中村八段も、小学生の頃は学校に同じくらいの棋力の友だちがいなかったといいます。当時は電車で1時間ほどかけて道場へ通っていたそうですが、いまは道場に加えて、インターネットやアプリで家にいながら対局できる環境があります。ただし、手軽に指せるからこそ、一手一手をきちんと考えることが大切だと語ります。武富女流二段からは、学校の友だちにルールを教え、一緒に楽しむ仲間を自分で増やすというアイデアも飛び出しました。

将棋で育つ「考える力」は、勉強にもつながっていく

最後は「好きな教科は何でしたか?」という、小学生らしい質問が。中村八段は算数と体育。「休み時間にはリレーやケイドロを楽しみ、小学生の頃はサッカーチームにも所属していました。高学年になるとサッカーと将棋の大会がどちらも週末に行われるため、どちらかを選ばなければならない場面が増えましたが、そのとき自分は将棋のほうが好きでプロになりたいのだと気づきました」


武富女流二段は、音楽と体育が好きな活発な小学生でした。ピアノを弾き、外では鬼ごっこをするなど、じっと考えるよりも体を動かすことが好きだったといいます。「そんな私でも、将棋のときだけはじっと考えることができました。教科でいえば、数学より国語が好きな文系タイプでしたね」


タイプの異なるお二人に共通していたのは、好きな将棋を通じて、長く深く考える力を育んできたこと。中村八段は、将棋の強豪校には勉強にも力を入れている学校が多いことに触れ、「将棋と勉強は、考え方の部分でつながっている」と子どもたちへ伝えました。

憧れの棋士と盤を挟む「ぐるぐる将棋」

トークセッションと質問コーナーのあとは、お待ちかねの「ぐるぐる将棋」です。中村八段と武富女流二段が子どもたちの目前に設けた盤を順番に回り、同時に対局します。対局は前半・後半各40分。棋力に合わせて駒落ちのハンディキャップを設け、参加者一人ひとりと向き合いました。

対局が始まると、会場の空気は一変。先ほどまで笑顔で話を聞いていた子どもたちも、盤に向かうと表情は真剣そのものです。棋士の一手を受けてじっくりと次の手を考え、会場は驚くほど静かになりました。お二人は一つひとつの盤を回り、ときには進行に応じて前の盤へ戻りながら臨機応変に対局を進めます。途中には、保護者と一緒に盤面を考える時間も設けられました。

「こんな局面になったら、こう守ってみるとどうかな?」と中村八段。「ここに拠点をつくってみると、いいんじゃないかな?」と武富女流二段。すぐに答えを教えるのではなく、子ども自身が次の一手を考えられるように問いかけます。いずれも、目の前の局面に即した実践的なアドバイスです。

対局が後半へ進むにつれ、それぞれの盤面には子どもたちの考え方や指し方の個性がくっきりと表れてきました。惜しくも敗れた子には、武富女流二段が「序盤は調子がよかったけれど、最後まで諦めないようにね」とアドバイス。一方、見事に勝利した子には、中村八段が「参りました」と投了を告げ、「いま何年生? とても強いと思うからこの調子で頑張るといいよ」とエールを送りました。


将棋が好きという気持ちから始まり、毎日の小さな積み重ねで考える力を磨いてきた中村八段と武富女流二段。その言葉と指し手に間近で触れた時間は、子どもたちにとって夏休みの特別な思い出になったことでしょう。


イベントの最後には抽選会を実施。当選者には、お二人のサイン色紙がプレゼントされました。

憧れの棋士と盤を挟み、一手一手に思いを込めた子どもたち。対局後の表情には、真剣勝負を終えた充実感と晴れやかな笑顔が浮かんでいました。オカムラはこれからも、将棋を通じて生まれる学びや交流を応援していきます。

Contessa Ⅱ
[コンテッサセコンダ]
Baron
[バロン]

取材・執筆:矢内あや 撮影:小野奈那子 編集:桒田萌(ノオト)

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★★★★☆

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PROFILE

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

山田 太郎

CO-FOUNDER & CTO

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。

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